【大紀元日本8月14日】国際食料農業機関(FAO)は11日、中国農業省から中国チベット自治区で今年鳥インフルエンザが発生したという報告を受けたと公表した。中国農業省からの報告によると、チベットのラサ市にある養鶏場で133羽の鳥が死亡、近隣で約2,600羽が感染。当局は拡散を防ぐため感染した鳥をすでに処分したという。中国農業省はFAOに対し、人への感染の有無については言及していない。今回の疫病はH5N1型の高病原性ウイルスによって引き起こされた可能性が高いとFAOは見ている。自由アジアラジオ局が11日に伝えた。
世界保健機関(WHO)駐北京事務所のRoy Wadia氏は、取材に対し、WHOはFAOを通じてこの情報を得たが、中国政府からはまだ直接的に何の報告も受けていないと中国政府の対応に不満を感じているようだ。Wadia氏は「今回の情報だけでは不十分。中国政府がより多くの資料を提供するよう望む」と述べた。
FAO駐北京事務所は、香港メディアの取材に対し、中国政府は拡散している地区の家畜だけに予防注射を接種しており、その他の地区にはしていないことを表明した。
中国の青海省や新疆では今年5月前後に鳥インフルエンザが流行し、すでに6,000羽以上の鳥が死亡した。
香港大学の医学専門家は、もし中国西部の感染が抑制できなければ、ヒマラヤ地方や中央アジアなどの地区にも広がる恐れがあると警告した。香港大学微生物学系の陳鴻霖助教授は、取材に対し、青海省で鳥インフルエンザに感染して死亡した鳥のウイルスのサンプルや渡り鳥の道筋の研究に既に着手していると述べた。研究によると、ウイルスは中国南方から広がった可能性があり、渡り鳥の移動によって中央アジアなどの地区にも拡散する恐れがあるという。同氏は、「これらの種類の鳥は主に中国西部を飛び、ヒマラヤ地方やインド、中央アジアを通過する。よって、これらの鳥が通過した地区において、感染の有無を注意深く観察しなければならない」と述べた。
さらに、新華社の報道によると、新疆に隣接するカザフスタンやロシアのシベリア地方では、先月末に鳥インフルエンザが発生したという。カザフスタンは600羽を超えるガチョウが感染し死亡、ロシアでは10,000羽以上の鳥が死亡した。このほか、モンゴルでも最近鳥インフルエンザが発生している。
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