【大紀元日本8月20日】中国の経済発展は21世紀の最も重要な出来事とされる中、米カリフォルニア大学オーウェン校商学部のノワール教授は最近出版した著書で、「この突出の過程において、中国は、世界のその他の国々と衝突するレールに乗ったが、中国国内の様々な対立問題の衝突の激しさは、外部とのの衝突を遥かに超える」との見方を示した。米国VOAが報じた。
中国国内の問題について、ノワール教授は著書『近い将来に勃発する中国の戦争』で、毛沢東の「星星之火、可以燎原」(微かな火花は、野原を燃えつくせる。すなわち、微小な勢力でも、後には強大な力になれる)を引用し、「毛沢東時代の微かな火花は、今や滝のように飛び落ちる火の球に変わった」との認識を示した。
_deng_小平が「富の構築は光栄なこと」というスローガンを打ち出した後、数十年の経済改革により、中国は世界経済の舞台に躍り出た。それについて、同教授は、中国の経済発展の過程において、受益したのは極少数の国民と指摘し、「2億人あまりの中国人は、経済発展の波に便乗できたかもしれない。この人数は確かに多い。しかし、中国には14億人近くの人口がある、そのほかの人たちの状況は完全に異なっている」と説明した。
三つの時限爆弾
中国当局の労働・社会保障部の統計によると、2010年までに、都市部の定年退職者は2004年の4800万人から7千万人に増加し、2020年には1億人に達する。
米国VOAは多くの専門家の見解として、「中国のエイズ感染問題は、世界で最も深刻になる」と報じた。
ノワール教授は、中国では近い将来、1人の働き手が、6人のお年寄り(両親とその親)の面倒を見なくてはならないと指摘し、「中国当局が医療に費やした国家予算は、国民総生産の6%しかない。厖大な数の農村人口は、まったくその恩恵を受けることができないでいる。同時に、経済の急激な発展で環境を著しく破壊しているため、中国人の健康問題はますます悪化している。近い将来、中国国内でエイズの広範囲感染も憂慮されている。このような情況と相反して、中国当局の健康保険や、年金などの社会保障問題への取り組みは極めて衰弱である。もちろん、ドイツや、米国、日本も同様な高齢化と年金不足問題に直面しているが、中国のこの問題に対応する能力はこれらの国より遥かに弱い」と分析し、「年金、医療費、エイズの大流行は、三つの時限爆弾であり、中国の経済、社会、政治に深刻なダメージを与える要素」と警鐘を鳴らした。
農村部の余剰労働力の吸収問題
また、同教授は、「中国での経済発展は、一つの不可解な謎を生み出している。経済が急速な発展を続けてきたが、失業率は依然高い水準で下がらない。今後数十年間においても、失業率は恐らく減少するのではなく増加していく」との見方を示し、以下のように分析した。
「中国の農村人口の比率は世界で最も高い水準にある。中国経済の繁栄を続けるには、3億人から5億人の農村余剰労働力を製造業に移転させなくてはならない。しかし、これらの大量の格安労働力を吸収するのに、重大な政治衝突を避けられるかどうかは大きな疑問点である」
中国の一部の経済学者が「工業化と都市化の発展を加速させることは、農村の厖大な余剰労働力を吸収する一つのルート」と認識していることについて、同教授は、「農村部の貧困問題を解決するために、都市化を推進するやり方は、中国の失業問題をますます激化させる。いま、中国の失業者は1億人を超えている。このような大量の余剰労働力の存在は、さらに給料を圧迫させ、産業労働者の仕事環境もさらに悪化させる」と述べた。
最後に、ノワール教授は、「中国が抱える厖大な数の失業者、環境汚染、農村と都市の格差、幹部の汚職、および西部と西南部の少数民族の衝突などの問題が引起す内部の衝突は、中国と他の国の外部衝突より遥かに突発的で激しい。また、中国当局の一部の手法は、さらにこれらの問題を深刻化させている」と警鐘を鳴らし、「中国共産党は基本的に短期の問題しか見出せない。政権を頑として放さないが、彼らのいまの行いは、将来、長期的な問題を引起し、最終的には更なる動乱をもたらす可能性がある」と見解を述べた。
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