【大紀元日本4月5日】中国四川省の環境保護活動家で作家の譚作人(タン・ツォレン)氏が最近、「国家政権扇動転覆罪」の容疑で警察に拘束された。香港に拠点を持つ人権擁護サイトの報道によると、警察は譚氏の所有するDVD、原稿、書類を押収し、自宅内の写真を撮ったという。評論家らは、譚氏は四川大地震の際、学生・児童の死者数調査と名簿を作成しており、今回の逮捕はそれに関連があるとみられる。VOAが伝えた。
*死亡した学生・児童名簿作成呼びかけ
人権擁護サイトによると、昨年四川地震発生後、譚氏は多くの文章を発表した。今年もまた「5・12学生児童名簿」の作成を提案し、実際に各地を回り、地震発生一周年を迎える前に、民衆の力で独立調査を完成させようと呼び掛けたという。
譚氏の妻・王慶華(ワン・チンファ)さんは4月1日に取材に応じ、王さんが勤務中に夫は連行されたと述べ、「警察から届いた勾留通知書では、夫は国家政権扇動転覆罪の容疑で3月28日に温江拘置所に勾留され、通知書に署名するよう要求された」と語った。王さんは夫との面会を求めたが断られた。
*学生・児童死者数、手抜き工事の調査
譚氏は拘束される前の3月23日にVOAの取材応じ、四川大地震で死亡した生徒の人数や、手抜き工事に関する調査・統計を行っており、既に2千人以上のリストを集めたことを明らかにした。
譚氏は、政府当局が被災地の死者数および災害調査についての不作為を非難し、被災者家族が法律に則り権利を求めたにもかかわらず、当局は応じなかったことを批判した。譚氏は社会を安定させるためには、各種の社会矛盾を解決し、特に命にかかわる問題に関して、政府は民衆の基本的な権利要求を無視してはならないと主張した。
一方、成都ネット作家で独立評論家の冉云飛(ナン・ユンフェイ)氏は、「彼は5・12学生児童死亡者名簿作成の提案書で、地震で亡くなった子どもたちの数のより正確なリスト作りを民衆に対して呼び掛け、国安にも伝え公表したことから、当局にマークされたのかもしれない」と語った。
*濡れ衣を着せる
譚氏の友人で四川成都大学法学部の王怡(ワン・イー)教授は、譚氏はかつて環境保護団体「緑色江河」に関与し、ここ数年間、人権活動に積極的に参加していることに言及した。王教授もまた譚氏の逮捕は名簿作成に関係するとの見方を示した。一方で、四川省長が大地震の死者数の調査は非常に難しく時間がかかるため、名簿は提出できないことを少し前に開催した「両会(全国人民代表大会および政治協商会議)」の記者会見で発表したことを挙げ、譚氏は本来政府がやるべきことを代行しているだけにもかかわらず逮捕されたことに驚いたという。
また、匿名希望の譚氏の友人は、理性的である譚氏は一公民として勇気をもって、理性的な表現の仕方で自ら真理に対する見解を表したことを称えたいと示した。
一方、北京「鳥の巣」スタジアム設計者の1人で、中国著名詩人・艾青氏の息子、艾未未来(アイ・ウェイウェイ)氏も個人のブログで自ら集計した氏名・年齢・学年・家族および死亡時の状況などの学生・児童の死亡者名簿を公表した。艾氏が集計したリストは千人に達した。
国務院新聞弁公室によると、2008年9月25日まで、四川大地震の死者はすでに6万9227人が確認されたという。しかし、中国政府は死亡した学生・児童の具体的な人数は未だに公表していない。
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