【大紀元日本4月19日】青海省玉樹県で発生したM7・1の大地震後、北京、河北省、山西省、寧夏回族自治区、内モンゴル自治区など各地では地震が発生するとのうわさが流布しており、現地住民のパニックを引き起こした。国家地震局と各地の地震局は、緊急にこれらの情報を「デマ」として発表し、パニック状態を鎮静させようとしている。
地震関連のうわさを迅速に静めるため、政府報道機関「人民網」は18日の記事で、中国国家地震局および各省地震局が発表した、地震発生説を否定した公表をまとめて報道した。
それによると、北京市地震局の緊急通告では、14日の大地震発生後、北京の一部地区では地震発生のうわさが現れたが、同局の分析の結果、北京の地震活動は正常であり、近い将来において破壊性地震の発生はあり得ないと書かれている。
河北省地震局も、ここ数日、河北省一部地区で現れた地震発生のうわさについて、同局分析により各種観測では異常は見られず、近日中の破壊性地震はあり得ないと発表したという。
また、山西省地震局は、4月9日と15日に包頭等でM6・5からM7・2の地震が発生するといううわさが広まっているが、山西省に関する部分は全くのデマであると通告。内モンゴル包頭地震局も包頭市で近日中に地震が発生するというメッセージは完全なデマであると発表した。
寧夏回族自治区地震局も、寧夏の携帯電話ユーザー間で伝えられている「寧夏で間もなくM6・5からM7・2の地震が発生する」とのうわさについて指摘。同局分析予報センター趙衛明主任が、大地震が発生した玉樹県は寧夏の銀川から1千キロ以上も離れており、しかも寧夏と玉樹県の被災区は別の地殻構造ブロックに属しているため、玉樹県地震の寧夏に対する影響は大きくないと、寧夏では近日中にM5・0以上の地震が発生ことはないと伝えている。
中国で最近地震が多発
4月17日、チベット自治区ナチュ地区聶栄県でM5・2の地震が発生した。深さは約10キロ。チベット地震局職員によると、今回の地震は青海省大地震と関連があると言う。
国家地震台のネット測定によると、今回地震が発生した区域と青海省大地震は同じ巴彦喀拉ブロックに属しているが、同じ断層帯には属していない。聶栄県は高海抜草原地区に属し、人は少ない。現在、具体的な被害状況を調査中。
四川省地震台ネットの測定では、10日午前1時から7時までに省内で5回の地震が発生し、最も大きなものはM3・2であったことが判明している。中国大陸の地震専門家は5回の地震中、3回が汶川地震の余震に属し、同省富順、自貢大安区境で発生した2度の地震はこれには属さないとしている。
「デマ」と発表した後地震が発生
青海大地震が発生する1か月前、同地域で4月13日前後に強震が発生するとの予測が、地震専門家により中国国家地震局に報告されたにもかかわらず、当局は3月9日、中国ではしばらく大地震は起きないとメディアに公表した。
1月中旬、現地住民の間では、近く「破壊性地震」発生のうわさが流れていた。政府メディアの「中新網」は、1月22日に人々に対し「デマ」を信じないよう求め、各メディアにも転載されたところ、2日後の1月24日、山西省運城でM4・8の地震が発生した。深さは12キロ。西安などでも揺れを感じたという。
「中新網」1月22日の『省市地震局:山西省で近く破壊性地震が発生するといううわさを信じないように』と題する報道では「澄清(はっきりさせる)」として、「わが省の地震専門家は山西省内で近く破壊性地震が発生するという予測は出していない」「市民は簡単にうわさを信じないでほしい」「地震予報は必ず政府が発表する。個人には地震の予報を発表する権限はない」などと伝えていた。
2日後、山西省運城ではM4・8の地震が発生した。中新網の『山西運城で発生したM4・8の地震による死傷者の報告はない』と題した報道では、2日前の報道を否定している。
この他、山西省では2月21日午前3時ごろ、太原、晋中、長治、晋城などで地震情報が相次ぎ伝えられ、100万人が深夜、街頭や公園などに避難。結局この日地震は発生しなかったものの、補県、平遥、左権などでは災害を避けるため、各町村の熟睡中の村民をラジオ放送で起こした。財産損失を少なくしようと全ての家電を路上に持ち出した村民もいた。
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