【大紀元日本10月26日】成人しても年老いた親に経済的に依存している。中国では、「すねかじり族」が引き起こした家庭問題が突出しつつあり、親子関係に新たな心の病を生み出している。
北京夕刊紙「北京晩報」によると、中国の65%以上の家庭では「年老いた親が成人した子を養う」という事態が起こっており、約30%の成人した子が一部またはすべての生活費を親に依存している。心理学専門家の概算によると、お年寄りが抱えるすべての心理的問題の中で、子供のすねかじりによる家庭内問題が理由で精神的な負担をもたらしたものが、3割以上を占める。
「一般的に、成人した子に対し物質と家事の面で援助することは、多くの親たちも同意しているし、実は心から望んでもいる。しかし、就職、結婚、教育などにおいて、親の援助を当たり前だと思う心理や態度は、家庭内に不信感と失望を引き起こしやすい。時間が経つにつれ、親にとって心理的負担となる」と、長年の心理ケア・カウンセリングの経験を持つ劉さんは分析する。
仕事をせず、実家に引きこもる
大卒の学歴を持つ小熊さん(偽名)は、在学中は、両親にあまり心配をかけることはなかったが、就職のことで随分と両親を悩ませた。彼は大学を卒業して就職したが、給料が低すぎることや会社が自分に合わないなどの理由で、5回の転職を経験してきた。小熊さんは次第に元気をなくし、最後には実家に戻り「引きこもり」になってしまった。毎日、家から出ず、インターネットに夢中になっている。意気消沈している息子を目にして、両親は毎日嘆いている。
「仕事の重圧で、一部の若者は就業しても長続きしない。仕事に疲れた、緊張しすぎる、慣れないなどの理由で、自主退職し実家で両親の扶養を受ける。これらの消極的な「すねかじり族」は責任感に乏しく、自信が足りない。直面する困難から逃げても、心理上、重いストレスに耐えている」と心理学専門家らは指摘している。
また、悪意のあるすねかじり現象も存在する。両親の溺愛で、子供は自立心が備わらず、すべて親に頼っている。彼らは生活や仕事上で事が上手く行かないと、ストレスを両親へ転嫁する。物質上の負担だけでなく、精神面でも親に影響を与えているため、親はウツや悲観などの心理的な病に罹ってしまう。
家や新車購入で親を当てにする
すでに3回心理ケア・カウンセリングを受けた鄭さん(偽名)は、息子一家のことを話しだすと、怒りが抑えられなくなる。息子の結婚に当たって、すべてを買い揃えてやったのに、今息子の嫁は、家が狭い、もっといい車が欲しいと言っている。その上、孫を私立学校に通わせているため家計が赤字になっているこの若夫婦は、親に助けを求めてくる。息子を甘やかしてきた親は長年貯めた貯金をすべて息子一家のために費やした。
心理学専門家によると、一部の若い親たちは、自分の子どもを親に預けて、自分たちは暮らしをエンジョイする。これも一種のすねかじり思考である。親に援助を頼っても自らは親を援助しようとしないという子供の考えが親の心理的疾病を招いてしまうという。
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