高度な発がんリスクを伴う排気ガス汚染=米中合同調査

2011/02/17 更新: 2011/02/17

【大紀元日本2月17日】先ごろ米中両国の学術機構が行った合同調査により、中国が車両制限などを含む大気汚染抑制措置を実行すれば、住民への気管支がんリスクが大幅に下がることが明らかになった。米VOA放送が報じた。

PAHs排出国トップの中国

米オレゴン大学と中国北京大学の研究員らは、北京五輪の前・期間中・終了後の時期に分けて、発ガン物質である17種類の多環芳香族炭化水素(Polycyclic Aromatic Hydrocarbons:PAHs)と呼ばれる有機系化学物質が、北京市内の大気にどれほど含まれているかの測定を行い、明確な違いを発見した。研究結果が8日、米政府の環境専門誌Environmental Health Perspectivesのサイト上で発表された。

今回合同調査員らが測定したPAHsは車の排気ガスや燃焼中の石炭、石油、木材、ゴミから発生する汚染成分である。現在中国は世界一のPAHs排出国で、インドがこれに次ぐ。米国では汚染抑制措置やクリーンエネルギーへの切り替えにより、PAHs問題が解決されつつある。

毎年30万人が汚染による疾病で死亡

研究によると、中国では毎年30万人が大気汚染に関連する肺がんや心臓疾患で死亡しているという。合同研究員らは、もし北京五輪期間中に実施された大気汚染措置が継続されれば、住民が気管支がんにかかるリスクは46%下がると算出している。

北京理工大学の中国問題専門家・胡星闘氏はVOAの取材に対し、中国の汚染抑制措置は全体的にさらに厳格に実行すべき点がある。現在北京では車両ナンバーによる規制を行っており、平日の5日間で車両はおよそ20%減少しているものの、毎年、新たに路上を走る車両は20万台を超えている。この事実を考慮すると、上記の規制措置が汚染の減少をもたらす効果は定かではないという。

浮遊粒子状物質の濃度が最も高い国

NASAが以前発表した地球の大気中に浮遊する粒子状物質による汚染状況を表した地図によると、中国の華北、華中、華東一帯の浮遊粒子状物質の濃度が最も高く、浮遊粒子を表す数値PM2.5は10mg以下の安全値に対して、この地区は80mg近くあるという。

これら微小な粒子状物質はヒトの肺や血液に進入し気管支や心血管疾病の慢性病を引き起こす原因となる。粒径2.5マイクロメートル以下の微小粒子は直接人の肺胞に入り込み血液に進入し、含有する重金属などの物質が血中に溶けだすため、人体への影響が大きい。

(翻訳編集・坂本)
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