防衛省はこのほど、対外的な情報発信を見直し、省幹部として初めてSNSアカウントを開設した。公式情報をより迅速かつ正確に発信し、中国共産党(中共)の認知戦や偽情報に対抗する狙いがある。
時事通信が7月19日に報じたところによると、防衛省と自衛隊は対外発信力を強化している。防衛省の安居院公仁報道官と内倉浩昭統合幕僚長は相次いでXアカウントを開設した。主に定例記者会見を通じて情報を発信してきた従来の方法を改め、今後は「即時性、信頼性、継続性」を重視し、直接発信する姿勢を強める。
防衛省の高官は、SNSアカウントの開設に慎重だった。今回の異例の動きは注目を集め、2人のアカウントはいずれも開設から約半月でフォロワー数が3万を超えた。
安居院氏はアカウント開設後、中共国防省が日本を「新型軍国主義」などと批判したことに対し、日英両語で反論した。一方、内倉氏の発信は比較的抑制的で、主に公式投稿を転載し、補足説明を加えている。時折、自衛隊の訓練や他国軍との交流の様子を収めた動画も紹介している。
背景には、ロシア・ウクライナ戦争から得た教訓がある。偽情報や情報操作は国民の判断に影響を及ぼし、世論を誘導したり、社会の分断を招いたりするおそれがある。Xアカウントの開設は、日本が認知戦に対応するための重要な取り組みの一つと位置づけられている。
防衛省は今回の対応について、中共の認知戦を念頭に置いたものだとしている。
保守系評論家の櫻井良子氏はYouTube番組「言論テレビ」で、日本の情報機関からの情報として、中共が高市早苗氏の自民党総裁選出馬以降、同氏に対する中傷的な認知戦を続け、高市政権の支持率低下を狙っていると述べた。
櫻井氏によると、日本の情報機関が把握している中共の攻撃手法の一つは、高市氏に「日本の軍国主義者」というイメージを植え付けることだという。さらに、高市氏を軍国主義時代を連想させる姿に加工した画像や動画を大量に作成し、中国や日本のSNSで広く拡散しているという。
情報機関は、相手国内に対立や分断を生じさせるこうした手法について、中共が旧ソ連から学んだものであり、中共が最も広く、かつ巧みに用いる認知戦の手法の一つだと指摘している。
近年、中共が日本に対する認知戦を強めていることについて、小泉進次郎防衛相は7月16日の参議院外交防衛委員会で、「黙っているだけでは、嘘も本当になりかねない」と強調した。
防衛省高官によるSNSアカウントの開設について、京都外国語大学の土屋貴裕教授は、認知戦への対応で重要なのは即時の反応と、平時からの継続的な情報発信だと指摘した。そのうえで、「防衛省・自衛隊の情報は信頼できるという評価を、継続的に築けるかが重要だ」と述べた。
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