【大紀元日本5月11日】「神が助けてくれたと信じてる」―自宅周辺に何人もの警備員、バリケード、監視カメラが置かれるという厳しい自宅監禁状態から脱出した盲人の人権活動家、陳光誠氏。いまだ、北京で当局による病院軟禁と山東省に残る親戚への迫害が続いているが、今回、香港紙・南方周報の電話取材に対して、その当時の奇跡の脱出経緯を語った。
「(脱出時は)極限の緊張状態でした。私は何の宗教宗派に属していませんが、神が確かに存在すると信じています」
陳氏は長い間、自宅脱出を計画しており、準備に時間をかけていた。注意深く自宅外周囲の観察を続けた陳氏はやがて、警備員が水を汲みに行った時が脱出のチャンスだと気づいたという。準備の詳細については、山東省に残る親戚の安全のために明かさなかった。
陳氏の自宅周辺には高い壁やバリケードが建てられており、訪問者を排斥する警備員、監視カメラが設置され、厳しい自宅監禁が続いていた。
それは4月22日のことだった。「とても危険な状況でした。私はかがんで、その時を待っていました。彼らが見ていないと感じたとき、私は(壁を)素早く乗り越えました」
壁をよじ登ったとき、陳氏は地面に倒れた。歩行が難しくなるほど足を負傷した。「私は考えました。なぜ神は、この関門を乗り越えるのを助けてくれたのか?なぜ今、その力を与えてくれたのか」陳氏は悶々としながらも、逃走を続けたという。
「鳥がすでに籠から出た」
神は陳氏の知人にも、陳氏の危機を知らせたのかもしれない。歩行が困難になった陳氏を助けしたのは、「陳光誠を救援する会」の何培蓉氏と郭玉閃氏だという。同会は海外にある人権団体「対華援助協会」(非営利的キリスト教人権機構)と連携を取っている。何氏はインターネット上で「珍珠」という名を使用しており、陳氏もその名で認知している。
ロイターの取材に対して何氏は7日、陳氏の救出には何氏を含む6人が手伝ったと明かした。陳氏が自宅脱出した日、何氏は知人から「鳥がすでに籠から出た」との短い電子メールを受け取った。何氏はこの暗号を理解し、北京に住む郭氏と他4人とともに山東省臨沂沂南県郊外の陳氏の自宅周辺へ向かった。
6人が車一台で田野を約2時間探した結果、全身負傷した陳氏を発見したという。陳氏が自宅脱出から17時間経過したあとのことだった。
その後、陳氏は北京の米国大使館に送り届けられ、米中担当者の会談ののち、北京の朝陽病院に入院した。近日中には渡米し、招待されていたニューヨーク大学へ留学することが決まっている。
南方週報の取材に対して、最後に陳氏はこう述べた。「私たちの社会がより良くなるよう、公正でより文化的であるよう、皆で最善を尽くさなければならない、と私は思います」さらに、英文のことわざを付け加えた。「神は自らを助ける者を助ける(God helps those who help themselves)のです」
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