「はだしの弁護士」陳光誠氏 王志安を名誉毀損で提訴 東京地裁で初弁論

2026/02/11 更新: 2026/02/11

2月10日、アメリカ在住の盲目の人権活動家・陳光誠氏が王志安を名誉毀損で提訴した裁判の第1回口頭弁論が東京で開かれた。東京地裁は同日午後に審理を開始し、陳氏側の弁護団が出廷して意見陳述を行ったが、王志安は出廷しなかった。

元中国共産党中央テレビ(CCTV)の記者、現在日本でユーチューバーとして活動している王志安は2025年8月18日、自身のYouTubeチャンネルで公開した「陳光誠は本当に盲人なのか?」と題する動画の中で、「陳光誠は目はちゃんと見えている」と繰り返し主張した。この動画はすでに48万回再生されている。

「はだしの弁護士」として名を馳せた陳光誠氏は、幼少期に視力を失ったが、独学で法律知識を学び、農民や障害者などの権利擁護に取り組んだ。2000年代には、地方当局による強制的な家族計画政策の実態を告発したことで当局の圧力を受け、2006年に実刑判決を受けた。出所後も自宅軟禁状態が続いた。2012年4月、軟禁から脱出して北京のアメリカ大使館に入り、その後アメリカへ亡命した。

陳氏側の弁護士、勝部環震氏は、「目は見えている」「失明は作られたパブリックイメージである」という趣旨の発言は、「陳先生の人格およびこれまでの活動すべてを根底から否定するものであり、決して看過できないものだ」と述べた。

陳氏は6日の声明で、「関連動画はネット上で拡散が続き、コメント欄やSNSを通じて繰り返し広まり、次第に私個人へのレッテル貼りや継続的な攻撃へと発展している」と指摘し、「事実の名を借りて誹謗を行った行為」について王志安に法的責任を負わせるため提訴したと強調している。

さらに勝部弁護士は「動画の配信は昨年だったが、それから5か月以上経ってもその影響をやはり看過できない、どんどん広がっていくというところを見て、法的な措置をせざるを得ない」と、提訴に至ったと説明した。

審理当日、東京地裁前の通りには陳氏を支持する人々が集まった。

会社員の荒瀬さんは、「人間の最低限のマナー、尊重である。そういう気遣いだったりとか。そういうのができないって、無しかな」と述べ、「自分の立場をちゃんと理解した上での発言をしたほうがいいと思う」と批判した。

陳氏はまた、この訴訟がインターネットを悪用して他人の権利を侵害する行為への抑止力になるとの考えも示している。

勝部弁護士は、「陳氏はご自身の問題にとどまらず、SNSなどで誹謗中傷に苦しむ多くの人々にとっての救済につながることを望んでいるのではないか」と述べた。

荒瀬さんは「(これほどの)影響を世に与える人間は限られている。そういった発言はわきまえるべきだと思う。今回は陳さんだが、そのことで傷つく人間は、世の中にたくさんいるのではないか」と語った。

王志安が出廷しなかったため、裁判所は次回の期日を4月7日に指定し、被告に対して3月31日までに答弁書を提出するよう命じた。期限までに提出がない場合は、欠席判決となる可能性がある。

清川茜
エポックタイムズ記者。経済、金融と社会問題について執筆している。大学では日本語と経営学を専攻。
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