【大紀元日本4月11日】中国江蘇省で先月、銀行が破綻するという噂による取り付け騒ぎ発生以来、同銀行のほかの支店でも同様な騒ぎが起きている。デマ流布者の拘束も伝えられているが、騒ぎが起きたのは、同地域で闇銀行が大量倒産したことにあると香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストが11日の報道で伝えた。
最初に取り付け騒ぎが起きた同省塩城市射陽県ではここ数カ月、闇銀行が大量に倒産し、多くの経営者が夜逃げしている。「みんなが銀行に疑心暗鬼になった」と預金者の孫さんは同紙の取材に話した。
「彼ら(闇銀行)の利子は月利2%。10万元を預けたら、利子で生活できる」ともう一人の預金者の李さんは話す。これらの闇銀行は高利で多くの資金が集まり、国有銀行から融資を受けられない地元の小規模な製造業者の資金源にもなっていた。
闇銀行の資金は銀行から「又貸し」されたものもある。これは農村部では「公然の秘密」だという。銀行から借りだした資金を使用せず、闇銀行に転貸する中間業者が存在する。一方、騒ぎが起きた江蘇射陽農村商業銀行の責任者は、闇銀行への資金流入の有無について回答を拒んだという。
「闇銀行の具体的な操作は分からないが、景気がとんでもなく悪くなっているのは知っている」。前出の李さんは製造業の減速が闇銀行の倒産につながり、さらに正規の銀行も連鎖で倒産するのではないかと懸念している。
射陽県で起きた取り付け騒ぎから「全国範囲の難題が見える」と上海銀行監督局の幹部は指摘する。「闇銀行の活動範囲は広く、悪影響も大きい」としながら、「各地の監督機関は自らの地域に問題が起きないよう祈るしか手立てがない」と悲観視している。
(翻訳編集・張凛音)
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