【大紀元日本9月30日】香港行政長官の選挙制度の民主化を求める28日からの大規模な抗議活動で催涙弾・コショウ水噴射を多用した香港当局が批判される中、現場で一人の警官が被害男性を救助する一枚の写真が大きな感動をよび、話題になっている。一方、抗議は拡大しており、2日目の29日には10万人以上が参加したと香港各紙が報道した。
写真を撮影した大紀元時報香港支社の余鋼・記者によると、現場は29日の香港政府本部前の大通り。抗議に参加した男性は当時マスクなどを着用しておらず、コショウ水などが目に入って苦しむ彼に、警官は自分の水筒を取り出してやさしく洗眼を施した。
「ヘルメット越しで、この警官の顔と表情は見えなかったが、噴射を非難する青年に対して『わかっている、わかっている』と申し訳なさそうに連発していた」と記者は明かした。
取材中の記者自身も被害を受け、何人かに助けられたが、その中の一人も警官だった。
飾り気のない、民主主義と共産党政権の間に挟まれる香港警官の苦渋な胸の内を現しているこの一枚の写真。大紀元時報香港支社フェイスブックでのアクセス数は数時間で100万を突破した。
一方、抗議は沈静化する兆しがない。初日の28日にはおよそ7万人、翌29日の夜8時ごろには10万人以上が参加したと報じられ、多くの中・高校は29日、校内授業ボイコットを実施、大学学生連合会は22日からの一週間授業ボイコットに続いて二回目を検討している。
米国でも声援が強まっている。4日からスタートしたホワイトハウスの公式サイトでの署名活動は29日で17万人に達し、オバマ政権に対し、香港の民主抗争に介入するよう要請している。
中国国内メディアはそろって報道していない。唯一、29日付の中国共産党機関紙、人民日報傘下の環球時報は「国内外の反中勢力が香港の管轄権を強奪しようとしている」と抗議活動を違法行為と断定し、万一の場合の武力行使を示唆した。国内インターネットでは抗議の関連情報は見当たらない。
97年の中国返還以来、最悪の状態となっている今回の大規模抗議。よびかけた民主派団体は「第一ラウンドは10月1日まで継続」と表明、今後の抗議方式について「これから議論する。中国政府が要求を受け入れるまで退けない」としている。
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