国際サッカー連盟(FIFA)の前・現会長らの収賄・背任問題への調査が拡大している。ブラッター会長(79)がアベランジェ前会長(99)らの巨額収賄問題に関わっていた疑いがあるとして、米連邦捜査局(FBI)が捜査を開始した。英BBCが報じた。
アベランジェ前会長らは1990年代、FIFAの広告代理店・ISL社から計1億ドル(約123億円)の賄賂を受け取ったとされる問題で、FBIが入手した前会長が書いたとされる手紙には、「ブラッター氏がすべてを知っている」との内容があった。
98年に会長に就任するまで、アベランジェ会長の補佐役にあたるFIFA事務総長を17年間務めたブラッター氏は、一貫して収賄の事実をまったく知らなかったと主張しているが、同収賄問題を調べるスイス当局に対し、圧力をかけ調査を打ち切らせようとしていたとされる。
現在、米国とスイスの司法当局は、18年と22年のワールドカップ開催地の招致活動において不正があったかについて、それぞれ捜査を展開している。同開催地はすでにロシアとカタールに決定した。AP通信によると、スイス司法当局は米国側の要請で捜査資料を渡したことを認めているという。
この収賄問題において、背任などの疑いでスイス検察当局の調査を受けているブラッター会長は辞意を表明しているものの、潔白を主張し、来年2月の会長選までは辞任しないとしている。こうしたなか、FIFA倫理委員会は10月はじめ、同氏に暫定的に90日間の職務停止処分を下した。一方、アベランジェ氏は同収賄疑惑により、13年4月にFIFA名誉会長の職を辞任した。
(翻訳編集・叶子)
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。