グリニッジ標準時(GMT)の2日午前4時30分(日本時間同日午後1時30分)ごろ、米航空宇宙局(NASA)のスコット・ケリー飛行士(52)は国際宇宙ステーションから他2名のロシア人宇宙飛行士と共にカザフスタンの砂漠に着陸、地球に帰還した。
ケリー氏は、宇宙空間連続滞在340日、通算滞在日数520日と、どちらもアメリカ人として最長記録を誇った。宇宙ステーションでの滞在期間中、ケリー氏はツイッター上に、宇宙から見える多くの絶景写真をアップした。
これはケリー氏が、宇宙ステーションを離れる直前に撮影した最後の日の出写真である。
長期間宇宙に滞在すると、人間の視力や骨に何らかの影響を及ぼすといわれているが、ケリー氏の健康状態はいたって良く、もう一年滞在しても問題ないと本人は話している。
1年間水道水のない環境の中で、衛生を保つのは容易なことではない。しかし、1年間という長い宇宙生活の中で、最も辛いのは最愛の人と離れて過ごすことだと語るケリー氏。
バハマ諸島上空に広がるオーロラや巨大ハリケーンなど、ケリー氏は宇宙ステーションでの滞在期間中、地球で起きている様々な驚異的な現象を目撃した。環境保護への関心が強まったと話し、「一部の地域は常に汚染に覆われていたり、歴史上前例のないような大暴風も目にした。これらは自然現象ではなく、人為的にもたらされた現象である」と指摘。
ケリー氏はCNNの取材に対して、「地球の大気圏は非常に脆弱に見える。しかし、環境問題を解決できる可能性は無くは無い。もし、解決策を考え付くことができれば、きっとやり遂げることができる」と、環境問題の解決に期待を示した。
またケリー氏は宇宙ステーションでの滞在を振り返り、「生まれてからずっとここに住んでいる感覚がある。私は4回も宇宙での任務を執行してきた、もう二度とここ(宇宙ステーション)に戻ってくることは無いだろう」と名残惜しさを口にしていた。またその一方で、地球へ帰還する喜びも語った。
双子の宇宙飛行士
ケリー氏には一卵性双生児の兄がいる。兄のマーク・ケリー氏も元宇宙飛行士であった。今回、宇宙と地球に分かれて暮らす一卵性双生児の宇宙飛行士を比べる史上初の実験が行われた。
NASAは二人を対象に、宇宙滞在が視力や心臓、筋肉、判断能力などにどのような影響を与えるのか研究を進めている。将来的に月や火星探査なども視野に入れているので、ケリー兄弟は絶好の被験者だった。
宇宙からの絶景
ケリー氏はツイッター上に、宇宙から見える多くの絶景写真をアップしている。
(翻訳編集・山本アキ)
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