オーストラリアの有名大学6校は、キャンパス内にある中国共産党(中共)政権との関係が深い「孔子学院」を閉鎖したことが分かった。オーストラリアのメディアが報じた。同国の連邦政府が、国内で物議を醸している孔子学院の開設をこれ以上認めないと表明してから約4年が経過している。
孔子学院を閉鎖したのは、メルボルン大学、ロイヤル・メルボルン工科大学、西オーストラリア大学、クイーンズランド大学、アデレード大学、ニューサウスウェールズ大学だ。
近年、オーストラリアでは孔子学院の閉鎖や規制を呼びかける声が広がっており、2018年に連邦政府は「外国影響力透明化法」を導入し、外国政府やその関連機関が国内で行う政治活動を監視・規制することを強化した。
2021年には、政府が新たな孔子学院の開設を認めない方針を発表した。孔子学院の新規開設が制限されたことに加え、既存の学院も契約満了に伴い閉鎖するケースも増えている。このため、オーストラリア国内で孔子学院を設置している学校の数は減少の一途をたどっている。
日本における孔子学院に対する見解や態度は、他の国々と比べると比較的穏やかで、受け入れの姿勢が強いといえる。
東京大学、早稲田大学、名古屋大学、大阪大学などの有名大学に孔子学院を設置している。
孔子学院は、中国教育部傘下の「国家中国語国際推進指導チーム事務局」が指導・管理し、孔子学院北京本部理事会の会長はプロパガンダを担う中共中央統戦部の部長、副総理が兼任する。
単なる文化交流の場にとどまらず、中共政権の意向や都合の良い情報を広めるためのツールであるという批判が根強い。
孔子学院の講師は多くの場合、中国本土から派遣され、教育内容や運営方針は中共の政策に影響されている。中国における人権問題に関する批判を避けたり、香港、ウイグル、チベットなどに対する中共の立場を支持するような活動が行われているという報告が相次いでいる。
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