中共 福島原発周辺の水産物に「異常なし」 輸入再開の行方に注目

2025/04/07 更新: 2025/04/07

中国共産党政府の原子力機構は4月7日、2025年2月に福島第一原発周辺海域で採取した海水および水産物のサンプルを分析した結果、放射性物質の濃度に異常は確認されなかったと発表した。

同様の検査は2024年10月にも実施されており、その際も処理水に関連する異常は報告されていない。

中共政府は2024年9月16日、オーストリア・ウィーンで開催された国際原子力機関(IAEA)の年次総会において、福島第一原発から放出される処理水を「汚染水」と呼び、その放出に「強く反対する」との立場を表明した。

しかしその直後の同月20日には、日本政府と、安全性が確認された日本産水産物の輸入を再開する方向で合意している。ただし、再開の具体的な時期は現在も定まっておらず、今回の検査結果が輸入禁止措置の解除に影響を与えるかが注目される。

このように中共の対応が変化する背景について、大紀元が発表した社説「共産党についての9つの論評」では、中共の立場と原則が一貫性を欠くものであることを指摘している。

中国共産党は結党以来、80年で16回の全国代表大会を開き、すべてで党規約を修正してきた。また、政権掌握後の50年で、憲法を5度にわたり大幅に改正しているという。

社説は次のように述べている。「立場と原則の改変は、常に中共の合法性と生存が危機に直面したときに引き起こされた。国共合作、親米外交、改革開放、民族主義の推進——いずれも例外ではない」

トランプ政権の発足以降、中共が対外的な緊張緩和を図る動きを強めてきたことから、処理水問題における一連の姿勢の変化も、日中関係の安定を意識した対応の一環であるとの見方が広がっている。

清川茜
エポックタイムズ記者。経済、金融と社会問題について執筆している。大学では日本語と経営学を専攻。
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