日本の真の独立を目指す有識者会議 NHK前で抗議活動

2025/04/11 更新: 2025/04/12

2025年4月10日、東京渋谷のNHK放送センター前において、「日本の真の独立を目指す有識者会議」(ECAJTI)主催の抗議活動が行われた。この活動には数十人が参加し、有識者がそれぞれNHKに対する批判を込めたスピーチを実施した。

今回の抗議活動は、戦後日本がGHQによる徹底的な洗脳の影響から未だ抜け出せていないという認識に基づいて行われた。有識者会議は、戦後日本のメディアがGHQの指導下で自虐的な歴史観を植え付けられたことを問題視しており、特にNHKがその中心的役割を果たしたと批判している。同会議は、NHKが戦後の洗脳工作への加担を認め、国民に対して告白・懺悔することを求めている。

スピーチでは、参加者たちが「太平洋戦争」という用語の使用や、戦後メディアがGHQによる検閲や情報操作に加担した事実を隠してきたことについて厳しく批判した。また、NHKがこの問題に正面から向き合い、特集番組などを通じて国民への啓発を行うべきだとの要求も強調された。

さらに、有識者会議は2025年1月6日に稲葉延雄NHK会長に宛てた公開書簡を発表しており、その中でGHQによる洗脳工作の詳細や、それに対するNHKの責任について言及している。同書簡では、具体的な改善策として毎月定期的な特集番組の放送を提案し、その回答期限を4月28日までと設定している。この日はサンフランシスコ講和条約発効から73周年にあたり、同有識者会議は、日本の「悔恨の独立記念日」と位置づけている。

抗議活動は平和的に進行し、参加者たちはスピーチやビラ配布を通じてNHK職員や通行人に訴えかけた。

今回の活動は、日本が真の独立国として歩むためには歴史認識の是正とメディア改革が不可欠であるとの主張を強く示したものであり、その意義は大きい。

有識者のスピーチ

日本の真の独立を目指す有識者会議の創立者のひとりである山下英次氏(同有識者会議副議長、大阪市立大学名誉教授)は、「戦後まもない1945年12月9日、NHKはGHQのプロパガンダ番組『真相はかうだ』を強制的に放送させられたが、この事実をNHKは一切報道していないので、このことをNHKは告白懺悔するべきだ」と主張した。また、NHKがニュースやドキュメンタリー番組の中で先の大戦を『太平洋戦争』と呼んでいることについて、「GHQは『太平洋戦争史』という冊子を作成しており、NHKはいまだにそれを台本として『太平洋戦争』という名称を使っている」と指摘した。事実は、日本は先の大戦を『大東亜戦争』と呼んでいた。山下氏は、『太平洋戦争』という名称について、「これはGHQの洗脳用語の1丁目1番地である」と述べた。

次に登壇した薮内正樹氏(敬愛大学教授)は、「日本は無能であった、残虐であったというプロパガンダが、いまだに日本を縛り付けている」とし、メディアに対してGHQのプロパガンダを手伝ったことを認めるよう要望した。同氏は、「血と汗と涙の敗戦を担った人、さらに高度経済成長の基礎を作った人、松下幸之助にしても、本田宗一郎にしても、出光佐三などの方たちは戦前戦中生まれの人々だった。彼らの仲間の多くは戦争で死んでいき、自分は生かされたという認識であったため、戦後復興に余生を捧げ、利己主義などに走ることはあり得なかった」とし、一方で戦後生まれの人々はGHQによる戦争史観、自虐史観に染まっているために、「先祖先人に対する敬意も感謝も切除されており、高度経済成長は自分の手柄だと思い込んでいる人もいっぱいいる」と指摘した。その結果、現在は「今だけ金だけ自分だけ」の世の中になってしまい、すぐに状況を転換しなければならず、そのためにメディアは事実を事実と認めて放送して欲しいと求めた。

岡真樹子氏(愛国女性のつどい花時計・代表)は、NHKが1955年に制作した番組「緑なき島」について、同番組が日本の名誉を傷つけたにもかかわらず、NHKがこれに対して謝罪をしていない点を厳しく批判した。また、2010年にNHKがこの番組を韓国の公共放送KBSに提供したことについても問題視した。岡氏は、「緑なき島」が韓国側の反日プロパガンダに利用され、日本の国益や歴史認識に悪影響を及ぼしていると指摘。さらに、NHKが日本の名誉棄損に加担しているとし、この問題に対する責任を明確にするため、番組の制作過程や内容を検証する特別番組を製作し放送すべきであると主張した。

村田春樹氏(政治活動家)は、NHKの放送内容が放送法第四条に違反していると訴えた。まず、第四条第一項「公安および善良な風俗を害しないこと」に関連して、NHK教育テレビがLGBT関連の内容で溢れている点を指摘。「これは善良な風俗を害している」と述べ、さらに「NHKの教育番組で若い女性の上半身が露出されている場面がある。こんなことが許されてよいのか?」と批判した。次に、第四条第二項「政治的に公平であること」に関しては、NHKが国内外の政治においてリベラル寄りの立場を取っていると指摘。特に毎年夏に放送される戦争関連番組について、「GHQによる自虐史観に基づいた内容ばかりである」として抗議した。さらに、第四条第三項「報道は事実を曲げないこと」に対しては、災害派遣報道において「消防や警察は映るが、自衛隊は絶対に映らない」と述べ、事実を意図的に歪めている可能性を示唆した。最後に、第四条第四項「意見が対立している問題についてはできるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」に関連し、村田氏は前日に視聴したNHK番組を例に挙げた。その番組では「トランス男性やトランス女性がかわいそうだ」という内容が30分間続き、反対意見や異なる視点は一切取り上げられなかったことを問題視した。

稲村公望氏(元日本郵便副会長)は、「いろいろな意見を出すべき時代が来ている」と述べ、NHKの報道姿勢について具体例を挙げながら批判した。特に、トランプ政権に対する解説が不十分ではないかと指摘した。「これまでNHKはバイデン政権のニュースをワシントンの情報を元に伝えてきたが、米国は多様な国であり、ワシントンの情報だけでは偏った報道になる危険がある」と述べた。また、「トランプ政権の関税政策に関する報道でも、一方的な意見を押し付けるのではなく、視聴者に考えさせる内容にしなければ、日本を代表する放送局としての信頼を失うことになる」と危惧した。

さらに、稲村氏は第31代米大統領フーバー氏の回想録を引用し、「第二次世界大戦を引き起こしたのはルーズベルトが日本を嵌めたからだと記されている。また、原爆を2発日本に投下したことについて、アメリカ人の歴史上最も残虐な行為であり、未来永劫アメリカ人の良心に重くのしかかると書かれている」と紹介した。この回想録はアメリカによって47年間隠されていたという。

稲村氏は、「日米はかつて戦争をしたが、お互いを許し合い、稀有な関係を築いている」と述べ、このような歴史的事実や視点も放送すべきだと訴えた。

松田学氏(日本の真の独立を目指す有識者会議・有識者議員、元・衆議院議員)は、NHKに対し「公共放送としての誇りを持ち、使命を果たしてほしい。立派なメディアとして発展してほしい」と訴えた。その上で、戦後80年という節目に、GHQのプロパガンダに与した事実を総括すべきだと強調した。

松田氏は、「戦争も軍国主義ももちろん望ましくない。では、どうすれば平和を実現できるのか? 戦争を引き起こした真の勢力はどこにあるのか? こうした問いを、歴史の正しい認識に基づいて考える時期が来ている」と述べた。また、「実態とは異なる粉飾された歴史の下で、日本人が自尊心を失ってきたことが、現在の経済停滞の原因ではないか」と疑問を呈した。

さらに、松田氏は、国民が誇りと元気、自信を取り戻せるような事実を放送することがNHKの役割であると指摘し、その実現に向けた努力を求めた。

林千勝氏(歴史研究家)は、「日本は実質的に植民地状態にある」と述べ、その状況に気づいていない国民が多い中で、NHKがその先兵として機能していると批判した。また、現在制作中の戦時中を舞台にしたNHKの番組について言及し、「その内容が史実と異なるのではないか」と疑問を呈した。

さらに、林氏はNHK職員に向けて、「一緒に日本を建て直しましょう」と呼びかけ、公共放送としての責任を果たし、日本の再生に貢献するよう訴えた。

矢野義昭氏(日本の真の独立を目指す有識者会議・有識者議員、日本安全保障フォーラム会長)は、NHKの公共放送としての役割に疑問を呈し、「国民の意識全体を方向付けるメディアは教育界と並んで非常に大きな影響力を持っている。NHKには、国民や子供たちの将来のために真摯な放送を行ってほしい」と訴えた。

矢野氏は具体例として、NHKのウクライナ報道を挙げ、「ウクライナ政府が設立した統一情報プラットフォームであるユナイテッドニュースをソースにした報道には疑問がある」と指摘した。また、米国がトランプ政権以降、グローバリズムから反グローバリズムへと方向転換しているにもかかわらず、NHKは依然としてグローバリストが支配してきた統制されたメディアの情報をそのまま流していると批判した。そして、この姿勢は政治的公平さを欠いていると厳しく非難した。

さらに、矢野氏はBBCを中心とした国際的なメディアネットワーク「トラステッド・ニュース・イニシアティブ(TNI)」にNHKも参加している点について言及し、「この機関は表向きファクトチェック機関とされているが、実際にはメディア統制が行われている可能性がある」と指摘した。加えて、「米国では7割以上の国民が大手メディアを信用できないと考えているという調査結果がある。一方、日本では7割の国民が大手メディアを信じており、これこそが洗脳の実態だ」と述べた。

矢野氏はUSAIDに関連する問題にも触れ、「DOGEの調査によれば海外メディアにも資金が流れており、その中にはNHKも含まれているとされている。この点についてNHKは否定報道を行ったが、国内で否定するだけではなく、トランプ政権に対して明確に抗議すべきではないか」と主張した。そして最後に、「NHKは信頼される公共放送として、今こそ自らの姿勢を改めるべき時期だ」と述べ、世界情勢の変化を正しく認識し、このチャンスを逃してはならないと強く訴えた。

 

▶EPOCH TIMES JAPAN編集長 ▶番組「日本の思想リーダーズ」ホスト ▶1969年東京生まれ ▶青山学院大学法学部卒 ▶総合商社日商岩井(現双日)にて情報産業等に約10年間従事。独立後紆余曲折を経て3年半ベトナムに渡る。帰国後1年間の無職期間中に日本各地を巡る。その後2015年からメディア業界へ。
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