ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)が4月5日に発表した研究結果によると、世界各国が各々の防衛費を1割削減すれば、世界が15年以内に撲滅すべき貧困と飢餓の目標を達成できるという。
つまり国連が2015年9月に採択した、2030年までに世界中の貧困と飢餓を撲滅することを主な目標とするプロジェクト、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の達成のためには、各国がその防衛費の一割を拠出さえすればよいということだ。
SIPRIの軍事費専門家のサムパーロ・フリーマン氏(SamPerlo Freeman)はロイター社にこう話す。
「このデータは人々にある視点を与える。それは軍事費がかなり多くの機会と資金を食いつぶしているということだ。各国が軍事費を1割削減することはあまり期待していないが、何らかの議論を呼ぶだろう。このことは各国の政治的な問題だ」
世界各国の防衛費はこの4年間で初めて上昇して1.7兆ドルに上り、SIPRIの資料では全世界のGDP総額の2.3%を占めている。中でも中国の防衛費は2年連続で世界第2位を記録し、7.4%の増加となった。情勢が不安定な中東ではサウジアラビアが軍事費を大きく伸ばし、ロシアを抜いて3位に躍進した。イギリスは5位、アメリカは1位をキープし続けている。
SIPRIの軍事費に関する年次報告書によると、去年の軍事費の増加はアジアや中欧、東欧そして中東に集中している。アジアでは南シナ海での緊張の高まりや北朝鮮問題、中東欧ではウクライナ問題、そして中東ではイスラム国(ISIL)の活動が原因であるとみられている。
国連の資料によると、世界の1日の生活費が2ドルに満たないという極端な貧困と飢餓に苦しむ人々の数は8億人にる。これは発展途上国の総就業人口の3分の1に当たる。内政が不安定な国や内戦が続いている国では貧困率が特に高い傾向にある。
(翻訳編集・文亮)
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