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習近平のジンクス 北朝鮮の5回目核実験、江沢民連行の情報

2017/05/06 更新: 2017/05/06

習近平の訪米ジンクス 

前々回のまとめ重慶市副市長が米領事館に駆け込んだとの騒動で、習近平氏と敵対する江沢民派によるクーデター計画の発覚。党の機密である腐敗汚職官僚や法輪功迫害情報が大量に米国に渡る。

前回のまとめ:やまない江沢民派の攻勢。同派の高官による市場操作で上海株暴落を招いた。天津の化学薬品倉庫大爆発は、北戴河会議参加予定の習近平氏ら指導者層を狙った暗殺計画との報道がある。


16年3月31日から4月1日にかけて、習主席はワシントンで開催された第4回核安保サミットに参加し、31日にはホワイトハウスで催されたオバマ大統領主催の晩さん会に出席した。各国首脳を前にして、オバマ大統領は歓迎のあいさつを述べた後、習主席に最初のスピーチを要請した。

習主席はこのとき、「核の安全保障に対する挑戦は大きなものとなるが、我々の決心はさらに大きい。核のテロリズムに対抗することは困難を極めるが、我々にはたくさんの選択肢がある」と述べている。

16年に入って間もなく、習主席は「太上皇(傀儡政権を操る黒幕の意味)」の批判発言を公に発表し、「大トラ狩り」の最終目標が江沢民を指していることを示した。

こうしたなか、1月6日に北朝鮮が4回目の核実験を行った。

北朝鮮の金正恩政権のバックには、江派勢力がついている。これまでの数々の報道や分析から、北朝鮮の核武装は、江沢民の執政中に大きく進んだことが明らかになっており、それには周永康をはじめとする多くの江派高官が関わっていることも判明している。

北朝鮮に対しての密輸容疑で逮捕された遼寧鴻祥実業発展有限公司の馬暁紅会長(同社案内パンフレット)
 

両会を控えた3月4日、江派メディアの新疆無界新聞ネットが、習主席に辞職を求める公開状を発表し、習主席に対し「自分と家族の安全」に注意するよう脅しをかけた。それに対し、習陣営は直ちに反撃を開始し、江沢民の息子2人が一時的に軟禁状態に置かれているとの情報をリークした。

核安保サミットで習主席は、核のテロリズムが活発期に入ったことを認めて「我々の決心も大きく、方法も多い」と発言し、各国首脳に対し、核武装問題に対する中国の態度を表明したが、これはむしろ、北朝鮮を操り、核の恐怖をあおっている中国国内の江派に向けた反撃と警告という意味合いの方が強い。

習主席帰国後の4月5日には前軍委副主席の郭伯雄が起訴され、財新網と国営メディアはそれぞれ名指しで江沢民と郭の関係を取り上げた。2日後の4月7日には、曽慶紅が北京の自宅で軟禁状態に置かれていることが伝えられ、20日には、上海の人権派弁護士・鄭恩寵氏も、江沢民父子が軟禁状態に置かれているとの情報を認知しているとした。

16年6月13日、米国下院は全会一致で、中国共産党に対し、良心の囚人や法輪功学習者からの臓器収奪を即時停止し、法輪功迫害政策を直ちに停止するよう求める343号決議案を採択した。さらに10日後の23日と29日には、独立調査員3人がそれぞれ米国議会及び欧州議会の公聴会に参加して「臓器狩り」に関する最新調査報告を提出したことで、江沢民一派が生きた人間からの臓器摘出という忌まわしい行為を継続して行っていることを、海外の主要メディアがこぞって取り上げた。

米国議会下院が343号決議案を採択した3日後の6月16日早朝、北京の軍関係者が大紀元に対し、江沢民が6月10日朝4時に武装警官によって自宅から連れ去られたことを明かした。江沢民は北京軍区機関に身柄を移された後、陸軍将校に引き渡されたが、その後の消息は不明だという。この人物は、今回の件は中央軍委方面からの命令により行われた極秘任務だったとも証言している。

これと前後して、4月25日、5月13日、6月10日、7月20日といった法輪功関連の「敏感日」に合わせて、習主席が意味深な発言や意思表示の動きで、法輪功弾圧を推進する江派勢力と明らかに違う主張と立場を示していることは特筆に値する。

(つづく)

(翻訳編集・島津彰浩)

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