米国ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港で16日、北朝鮮籍の3人が荷物検査を逃れようと抵抗したため、税関職員ともみあいになる騒動があった。米CNNなどで報じられるところによると、3人は米国へは入国できず、北朝鮮へ戻ったという。荷物の中身は公表されていない。マレーシアの空港で金正男氏がVX剤で殺害された事件では、北朝鮮当局者の関与が報じられ、国外へ渡る北朝鮮官員の動きに各国は警戒が高まっている。
もみ合いを始めたのは北朝鮮人
北朝鮮の国営メディアによると、3人は19日にニューヨークで開かれた国連人権会議に出席するため渡米した、「外交官」だという。しかし、国土安全保障省はCNNの取材に対し、3人の北朝鮮人は外交ビザを所持していなかったと明らかにした。
「外交官」と自称する3人の北朝鮮人は荷物検査を免れようとしたが、米国国土安全保障省のラペン報道官によると、彼らは国連駐在員ではないため、所持する荷物は外交特権による保護を受けず、検査を受けなければならないとした。
ラペン氏によると、国土安全保障省は検査のために複数の書類と荷物を押収したところ、3人が書類と荷物を強引に奪い返そうとしたため、国土安全省員とトラブルになったと明かした。アメリカ国務省はこの騒動に対し、「極端な行為は北朝鮮人によって引き起こされた」と声明を出した。
北朝鮮人はのちに釈放されたが、荷物を取り返せないと分かると、入国を断念した。
気になる荷物の中身は何だったのか
アメリカ側も北朝鮮側も、押収された荷物の中身を明らかにしていない。今年2月に、マレーシアの空港で金正男氏が暗殺されて以降、世界各国は北朝鮮の荷物に対して警戒している。北朝鮮が同じく外交物資として検査をすり抜ける手口でVX剤をマレーシアに密輸した疑いがあるからだ。実際、北朝鮮が麻薬の密輸や違法取引を行ってきた。
英「ガーディアン」紙の報道では、国連安保理はすでに2015年の調査報告で、北朝鮮外交官や政府職員がコピー商品や麻薬の密輸を行っていることを明らかにした。報告書によると、これらの北朝鮮関係者は時として外交特権を隠れ蓑にして活動し、マネーロンダリングや密輸業者が税関の検査から逃れる手助けをしてきた。
(翻訳・文亮)
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