29日、新しい自民党総裁が選出される。日本を取り巻く国際的な安全保障環境やその姿勢について、専門家は、長期政権の与党リーダーが変わることと日本の外交が変わることとは同義ではないと分析する。日本が直面する課題は変わらず、誰が総裁になっても大きな変化はないとの見通しを示した。
米国に拠点を置くシンクタンク・グローバル台湾研究所は15日と16日にオンライン形式で年次シンポジウムを開いた。出席したベテラン外交官で元内閣官房副長官補の兼原信克氏は、自民党総裁選に関する質問に答えた。
兼原氏は、日本の次期首相による台湾関係や外交に関する質問への回答で、日本は国際的な同盟や友好国との関係について堅固な立ち位置を有しており、基本的なスタンスは変わらないと強調。今世紀において日本の目前の脅威は中国であり、次期首相も現在の姿勢を維持するだろうと分析した。
その上で、北朝鮮有事と台湾有事を比較。日本の領土である沖縄県与那国島から100キロあまりしか離れておらず、目視できる距離にある台湾が有事になれば、直接的に日本の有事につながりうると強調。いっぽう、日本と北朝鮮の間には軍事力を有する韓国があるため、台湾有事よりも日本の安全保障への影響は抑えうると述べた。
(佐渡道世)
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