政府系シンクタンクの中国社会科学院が21日発表した不動産市場調査で、一部の地方中核都市の住宅価格上昇圧力が依然、強いと指摘した。今後これらの都市で、地方政府が一段と厳しい抑制措置を打ち出す可能性が高いとした。
国内メディアによると、社会科学院は、8月上海や北京など大都市の住宅価格は前月比平均で約0.18%下落したとし、他の地方中小都市の住宅価格は同1.14%上昇した。また、中小都市では過剰な住宅在庫がほぼ消化され、現在(価格)回復小周期に入っているとの見解を示した。
調査では、人気の中核都市のなかに、杭州市と成都市の住宅価格の前月比での上昇率はそれぞれ5.4%と4.79%と最も高いと示された。大連市、南京市、蘇州市、アモイ市などの12都市の価格は横ばいとなった。
社会科学院は、大都市の住宅市場は厳しい価格抑制政策の実施で、一時的な安定期間が見られる一方で、人気の高い中核都市では価格の上昇圧力が依然と強いままだと分析した。中核都市の地方政府では、今後短期間に価格抑制策をさらに強化するとの見通しを示した。
中国当局は昨年9月末から、全国各地で新たな不動産バブル抑制措置が実行された。多くの都市では、住宅ローン規制、購入規制、販売規制、商業用物件を住宅用に設計してはいけないなど様々な規制措置が打ち出された。しかし、多くの専門家、投機家や企業は、当局が土地財政に強く依存し、簡単に不動産価格を下落させないと予測し、市民が投機目的で住宅投資を行い続けている。ただ、大都市での住宅購入規制が厳しいため、投機資金が中小都市に流れ込んだ。
英ロンドンに本部を置く不動産大手、ナイト・フランクが7月に公表した、今年1~3月期世界150都市住宅価格上昇率ランキングでは、トップ10のうちの7都市が中国の都市だった。江蘇省無錫市、南京市と河南省鄭州市は、前年同期比でそれぞれ31.7%、28.8%、25.4%上昇で、トップ3となった。
国内メディアによると、人民銀行はこのほど、今年住宅ローン規制実施以降、消費者金融を通じて不動産市場に流れ込んだ資金規模が数千億元(数兆円)を上回ったと明らかにした。
(翻訳編集・張哲)
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