オピオイド危機による米経済コスト、2015年は5040億ドル=CEA

2017/11/20 更新: 2017/11/20

[ワシントン 19日 ロイター] – 19日に公表された報告書によると、米経済諮問委員会(CEA)は、2015年に鎮痛剤オピオイドの乱用によって生じた経済コストが最大5040億ドルに上ったと指摘した。同年の国内総生産(GDP)の2.8%に相当するという。

トランプ米大統領は先月、オピオイド危機が公衆衛生の非常事態だと宣言。共和党議員はオピオイド乱用対策で重要な一歩となったとする一方、民主党などからは追加の資金拠出なしでは意味がないとの批判が出ている。

共和党議員は従来、政府支出拡大に反対してきたが、今回の報告書を受け、ホワイトハウスは経済損失が追加拠出のコストを大きく上回るとして、共和党議員にオピオイド危機対策への追加拠出を呼び掛ける可能性がある。

CEAは、2015年にオピオイド関連で3万3000人が死亡し、これによって失われた経済生産は2210億─4310億ドルに上ると指摘した。

また死に至らないオピオイド使用による2015年の経済コストは720億ドルと推計。これには医療費、刑事司法関連の費用、中毒患者による経済生産低下が含まれる。

米疾病予防管理センター(CDC)によると、米国ではオピオイド関連の過剰摂取で1日当たり100人以上が死亡している。

Reuters
関連特集: 国際