[モスクワ 24日 ロイター] – ロシアのラブロフ外相は24日、モスクワを訪問中の河野太郎外相との会談後の共同記者会見で、北朝鮮問題を根拠に日本が自国の領土を北東アジア地域における米国の軍事拠点として提供しているのではないかとロシアは懸念していると述べた。
ラブロフ外相は「北朝鮮による脅威を根拠に、日本と韓国が米国の世界的なミサイル防衛システムの(北東アジア)地域における配備地になりつつあるのではないかと、ロシアは事実に基づき深刻に懸念している」と述べた。
そのうえで「ロシアは日本との間に直接的な問題を抱えておらず、日本にリスクがあるとは考えていない。ロシアの近隣諸国の領土に米国の世界的なミサイル防衛システムが配備されることに対するリスクがあると考えている」と述べた。
日本側は今回の会談で北方領土に焦点を当てたい意向だったが、ラブロフ外相にかわされた格好となる。
河野外相はラブロフ外相の発言を受け、日本、および日本の同盟国は北朝鮮の体制変更は望んではいないとし、北朝鮮のミサイルが日本の国土の上空を通過する事態を受け、日本は自国を守る必要があると説明。
こうした事態は過去に例がなく、日本やロシアだけでなく、国際社会全体に対する重大な脅威となっているとし、北朝鮮に対し核・ミサイル開発の放棄に向け最大の圧力をかけるためにあらゆる手段を行使する必要があるとの考えを示した。
両外相は北方領土問題については、日ロ経済協力推進などで進展がみられたと述べたものの、主権問題など中心的な論点を巡り進展があったかについては明らかにしなかった。
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