[ワシントン 23日 ロイター] – トランプ米大統領は23日、訪米中のターンブル豪首相とホワイトハウスで会談した。両国間にこれまで生じた対立点の解消を図ったが、環太平洋連携協定(TPP)を巡る溝は埋まらなかった。
トランプ大統領は共同記者会見で、自身が離脱を表明したTPPについて、「米国にとって良くない協定」と改めて批判。米国にとって良い内容になれば復帰すると表明したが、多国間よりも2国間の協定を優先する立場も示した。
TPPに参加するオーストラリアなど11カ国は21日、TPPに修正を加えた包括的および先進的環太平洋連携協定(CPTPP)」の最終的な条文を発表。3月署名を目指すことで合意している。
米豪首脳会談ではまた、国際的影響力を一段と増す中国についても話し合われた。
ターンブル首相は「米国とその同盟国であるオーストラリアなどが中国と対立し、冷戦再来のような状況になっているとの構図を描きたい人がいるが、それは正しくない」と強調。
トランプ大統領は、米中関係は改善してきたが、貿易摩擦が原因で悪化する可能性もあると警告した。
トランプ、ターンブル両氏は昨年、イラクやイランなどからオーストラリアに亡命を希望して密航した数百人を米国へ移住させるという米豪間の取り決めを巡り意見が対立したことから、両国関係にきしみが生じていた。
ただ、トランプ大統領は会談に先立ち、両国関係は「恐らくこれまでのどの時点よりも強固になっている」と評価。
ターンブル首相は会談後の会見で、安全保障・経済関係の深化に向けた新たな構想でトランプ氏と合意したと語った。
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