中共の浸透に国際社会が警戒 各国で対抗措置進む

2026/02/16 更新: 2026/02/16

中国共産党(中共)は海外への浸透工作を大規模に進めている。最近相次いで発覚した関連事件が、国際社会の間で中共の浸透活動に対する強い警戒と反発を招いている。

先週、豪州では中国籍の男女2人が、中共の安全機関のために現地の宗教団体の情報を密かに収集していた容疑で起訴された。

一方、ドイツの裁判所は、中共に軍事機密を提供した罪で起訴された米国の請負業者に懲役2年8か月の判決を言い渡した。

また、米フロリダ州議会でも、政策の透明性を高め、外国勢力による地方政府への浸透を防ぐための法案が推進されている。

カナダ安全情報局元幹部ダン・スタントン氏は「過去30年間にわたって私たちが見てきたのは、外国による干渉は国家安全保障上の脅威として、その規模と進行の速さのいずれも、従来のスパイ活動を上回っているということ」と述べた。

中共は、外国企業の事業活動に圧力をかけて機密情報を得るほか、個人を通じて海外のさまざまな分野に浸透し、情報を入手している。

カナダ国立微生物研究所に勤務していた感染症科学者の邱果香氏は、2019年7月に情報当局により研究所から連れ出され、2021年にカナダの規定違反を理由に解雇された。

米国防総省の請負業者マーティン・D氏は、2026年2月11日、ドイツ西部コブレンツの裁判所で懲役2年8か月の判決を受けた。彼は自ら中共に機密性の高い軍事情報を提供し、「外国情報機関のために諜報活動を行った」および「職業上の秘密保持義務違反」の罪に問われた。

同様の事件として、ドイツの元政治家の助手だった郭建も中共のスパイ活動に関与したとして、懲役4年9か月の刑を言い渡された。

カナダ・アルバータ州元市議で、民主運動家である石清氏は、「2021年に私が立候補した際、中共は私たちのような小さな村にまでやって来て、家々にチラシを配り、私を中傷しました」と明かした。

石氏のほか、カナダの元国会議員ケニー・チウ氏や保守党の複数の議員も、香港人やウイグル人、法輪功を支持したことから中共による抽中傷キャンペーンの標的となり、落選したという。

2024年7月、カナダ国会は「外国干渉防止法(Bill C-70)」を可決し、外国による干渉行為を刑事犯罪として定義した。中共の代理人に対する抑止効果を図っている。

「ファイブ・アイズ」の一員である豪州も、中共の主要な標的となっている。公共誠信センターは2021年の報告書で、1999年以降の豪州における全政治献金の約35%が出所不明であり、その背後に中共の関係者が存在した可能性が指摘された。

例えば、2018年に豪州で永住資格を取り消された後、中共により香港選挙委員会の委員に任命された実業家の黄向墨や、2022年にオーストラリアから国外退去処分を受けた鄭介甫の事例がある。

2019年には、豪州のメディアが出版関係者の話として、中共の放送当局が中国で印刷され豪州で出版される書籍について、著者がブラックリストに載っている場合は印刷を認めないよう指示していたと報じた。

出版業界にとどまらず、中共はブラックリストに載る宗教団体に対しても海外の代理人を通じて秘密調査を行っている。2月11日、中国籍の2人がこうした行為により「重大な外国干渉罪」で起訴され、有罪となれば最高15年の懲役が科される可能性がある。

豪州の学者クライブ・ハミルトン氏は、2017年に著書「目に見えぬ侵略 中国の豪州支配計画」を出版し、政界や文化界、農牧業、大学から小学校までにおける中共の浸透実態を明らかにした。

チャールズ・スタート大学クライブ・ハミルトン教授は「中共が豪州で行っていることは、米国でも同様に行われている」と指摘した。

米国で最近最も注目を集めた中共スパイ事件の一つが、ニューヨーク州知事キャシー・ホークル氏の側近である孫雯氏の事件。彼女は米国政府高官の補佐官であると同時に中共の代理人でもあり、2025年に19件の罪状で検察に起訴された。

学術界でも同様の問題が発生している。米国責任追及財団(AAF)が最近公表した報告書によると、米国の有力大学や研究所で働く複数の中国人学者が中共から資金提供を受けている。その多くは科大訊飛、中国航空工業集団、中国高圧科学技術研究センターなど、米国のブラックリストに掲載された企業や研究機関に勤務していた経歴を持つという。

こうした浸透活動は政界や学界にとどまらず、中共代理人が米国の軍事基地周辺の土地を大量に購入していたことも明らかになった。これを受け、テキサス州およびフロリダ州では、中共関連の個人や企業による土地・不動産の大規模買収を禁止している。

今年1月29日、ワシントンのシンクタンク「ジェームズタウン財団」の研究員シェリル・ユー(余雪莉)氏は、フロリダ州での公聴会で、中共の海外統一戦線システムは、米国、カナダ、英国、ドイツなどで2000を超える組織を持ち、その約半数が米国内に存在していると述べた。また、フロリダ州だけでも少なくとも30組織があると推定されるとし、「外国干渉の制限と執行法案」を支持する考えを示した。

欧州でも、中共の浸透工作は深刻だ。英国は現在、中共の最重要ターゲットの一つとなっている。ロンドンに拠点を置く「48グループ・クラブ」は政財界の有力者を集め、中共と密接な関係を持つ団体として知られている。昨年10月には英国議会でスパイ疑惑事件が発覚し、関係した2人の議員がスターマー首相に対し、中共をロシアやイランと同様に「外国影響力登録制度(FIRS)」の厳格な監督対象に加え、関与する中共官員を制裁対象とするよう求めた。

カナダの出版社「オプティマム・パブリッシング・インターナショナル」代表ディーン・バクスデール氏は「カナダ、英国、そして世界中の人々が、今では(中共の)こうした戦術に非常に警戒している。また、その手口を見抜けるようになっている。数年前まではまだその意識がなかった」と述べた。

 

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