[キャンベラ 21日 ロイター] – オーストラリア議会は21日、総額1440億ドル(1060億米ドル)規模の所得減税法案を可決した。極右政党ワンネーションの党首が支持に回ったことが可決につながった。
来年前半に実施される可能性の高い総選挙を前に、ターンブル首相率いる保守連合にとって明るい材料となった。保守連合は世論調査で野党労働党にリードを許している。
フリンダース大学のヘイドン・マニング政治学教授は「ターンブル首相の就任以降で最も重要な勝利であり、選挙に向けて首相を大きく後押しする」と述べた。
野党はターンブル政権の減税法案を3つに分割した上で、低中所得者向けの減税を支持する一方、高額所得者への減税には反対することを目指していた。
減税は7年かけて行う内容で、今後の政権が一部を撤回する可能性もあることから、金融市場の反応は限定的となった。
ウエストパック銀行のシニアエコノミスト、マシュー・ハッサン氏は「マクロ経済面の短期的な影響が取るに足りないうえに、国内金利環境への影響もないことから、豪ドル相場には影響しないだろう」との見方を示した。
ターンブル首相は記者団に対し、堅調な経済が所得減税を可能にしたと述べた。
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