環境保護団体はこのたび、中国では、オゾン層を破壊し地球環境を悪化させる可能性のある禁止化学物質フロンの製造と使用を続けていると発表した。
2018年5月、ロンドンを拠点とする環境調査庁と米紙ニューヨークタイムズは共同調査で、フロンの排出量は80年代に急激に増加していると指摘。中国の地方企業に多くの要因があるという。
調査チームが中国で幅広いインタビューや調査を行ったところ、世界的に削減や禁止令が敷かれている規制の一種であるフロンガスCFC-11発泡剤を使った断熱材を製造していることがわかった。調査チームは環境への影響について「危険な状態だ」と形容した。
70年代からフロンによるオゾン層破壊の可能性が指摘され、日本を含め先進国は、生産の凍結や段階的使用禁止などの処置をとってきた。87年モントリオール議定書には171カ国とEC(欧州共同体)が締約した。途上国枠で中国も91年に署名した。
オゾン層は、太陽から発せられる紫外線から地球を保護する役割を果たす。モントリオール議定書では、参加国はCFC-11を含むフロン排出材料の製造や使用の段階的禁止に努力するよう宣言されている。
専門家らは当初、加盟国によりモントリオール議定書が完全履行されれば、21世紀中盤までにオゾン層が完全に回復すると楽観的な予測を示していた。しかし、中国が大量の違反製品を生産し続ければ、この展望は失われる。
調査チームは、ルール違反の中国企業に対して、中央政府は徹底した措置を講じなければならないと指摘した。
(翻訳編集・佐渡道世)
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