米連邦捜査局(FBI)クリストファー・ライ(Christopher Wray)長官は7月23日、米上院司法委員会に出席し、中国は広範囲にわたり対米諜報活動を展開しており、米国にとって深刻な脅威を与えていると述べた。現在、FBIが抱える1000件以上の知的財産窃盗に関する捜査は、ほとんど中国関連の事案だと明かした。
ライ長官は、委員会で議員から、外的勢力による潜在的な影響への備えはあるのかを尋ねられた。「中国以外に、わが国に深刻な諜報の脅威をもたらす国はないだろう」と表現し、ロシアは「おそらく」次に並ぶと長官は述べた。
中国のスパイ活動について、長官は「中国籍や中国系米国人に限らない」とし、企業などによる組織的な動きもあるという。中国企業は国営、民営を問わず中国共産党から独立しておらず、違法なハッキング、合法的な米企業との協力といったさまざまな手段で、米国の知的財産や機密情報を収集しているとした。
「米国で起きた知的財産窃盗事件に関して、全土でおよそ1000件以上の調査が進行している。経済スパイであろうが、破壊活動の拡散であろうが、ほとんどすべて中国に関連する」と述べた。
中国共産党の諜報活動について、長官は「根深く多様で、広範囲かつ厄介だ」と例えた。FBIは、中国政府関係者や学者、学生、ビジネス関係者など、従来の情報収集者とは異なる相手と闘わなければならず、「私たちはすべての協力者と懸命に取り組んでいる」と述べた。
ライ長官は4月、外交問題評議会(CFR)との合同会議で、「創造の窃盗」を行う中国のスパイ手法ついて詳しく語った。「中国は諜報機関、国営企業、表向きの民間企業、大学院生や研究者、そして中国を代表して活動するさまざまな関係者を通じて諜報を行っている」「これは違法行為であり、経済安全保障への脅威であり、ひいては国家安全保障への脅威だ」
ライ長官は、企業などの「スパイ活動の脅威の認識」を高めるために、FBIが啓蒙活動を行っていると述べた。
(翻訳編集・佐渡道世)
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