ファーウェイとグーグル、スマートスピーカーを共同開発していた 米輸出規制で頓挫=報道

2019/07/31 更新: 2019/07/31

中国共産党政権と強い繋がりを持つとされる通信機器大手・華為技術(ファーウェイ、Huawei)は、米グーグルと共同して、音声認識で操作するAI機器、スマートスピーカーを開発する計画があった。しかし、米政府が5月、安全保障上の懸念から、ファーウェイに対して輸出制限措置を講じたため、計画は頓挫した。ネットメディアのザ・インフォメーションが7月29日に報じた。

報道によると、ファーウェイ製品として開発されたこのスマートスピーカーは、Googleアシスタントを搭載し、利用者の音声を認識し操作する仕組みだったという。2019年9月に発表し、米国を含み世界的に販売する予定だった。

匿名希望のファーウェイ関係筋は、「グーグルはこの開発計画に一年間取り組んでおり、大きな進歩を遂げていた。しかし、すべてが突然停止した」と、ザ・インフォメーションに語った。

報道は複数の関係者の話として、このスマートスピーカー開発計画は、米国政府がファーウェイを実質上の禁輸措置に指定する「エンティティ・リスト」に追加したことで、停止したという。

米政府は2012年にすでにファーウェイ製品の危険性を警告してきたが、グーグルとファーウェイの協力関係は続いている。ファーウェイはグーグルのアンドロイドを採用している。両社は2015年、Nexus 6Pというスマートフォンを共同開発した。同機の背面に「HuaWei」と記されている。

ザ・インフォメーションによると、Nexus 6Pを開発するため、ファーウェイの技術者はグーグル本部に数カ月間滞在した。同プロジェクトをよく知る人物の話では、グーグルは100人ほどのファーウェイ技術者に専用のラボを提供した。「両社の開発チームは密接な関係にある」

トランプ政権の5月の輸出制限措置を受け、Googleはファーウェイに対して自社サービスや技術サポートの提供および協力を停止させた。

大阪G20の米中首脳会談の結果から、トランプ米大統領はファーウェイ製品に対する禁輸措置を一部緩和し、ライセンス契約することで合意した。ロイター通信は、8月初旬にも、米企業に対するファーウェイ製品との取引の詳細について通知するという。

(編集・佐渡道世)