ファーウェイ機器利用で スペイン政府が通信会社契約を解除

2025/08/30 更新: 2025/08/30

スペイン政府は8月29日、スペインの通信大手テレフォニカとの光ファイバーサービス契約を撤回すると発表した。理由は、テレフォニカが依然として中国の通信機器メーカーであるファーウェイの設備を使用しているためである。

スペインデジタルトランスフォーメーション省はロイター通信に対し、契約撤回の理由を「デジタル戦略と戦略的自立」と回答したが、詳細は明らかにしていない。

契約規模は総額約1千万ユーロ(約1170万ドル)であり、テレフォニカはスペイン全土に光ファイバー網「RedIRIS」を展開し、研究機関や政府機関、防衛関連施設などに回線を提供する計画であった。

この決定により、外部勢力による潜在的な監視リスクへの懸念があらためて浮上している。

スペイン政府は公共インフラやデータ通信、電気通信、電力分野に外国企業が関与する案件について、国家安全保障や重要技術への影響を考慮し、厳格な審査を行っている。必要に応じて政府の事前承認も求めている。

今回の措置は、スペインがデジタル基盤の安全性確保に一層慎重な姿勢を強めていることを示すものであり、欧州連合(EU)が中国製通信機器への警戒を強める動きに呼応したものである。

テレフォニカ広報は契約撤回に関して「コメントを控える」と述べたが、同社のエミリオ・ガヨ最高執行責任者は先月のロイター取材に対し「ファーウェイへの依存を減らしている」と語った。これはEUによるファーウェイ製機器の段階的排除勧告に対応したものであり、主に5Gネットワークの基幹設備が対象となる。

ドイツなど一部欧州諸国はすでにファーウェイ製機器を全面禁止しているが、スペインではまだ同様の措置を導入していない。報道によれば、国内の一部5Gモバイルネットワークでは引き続きファーウェイ製品が使用されている。テレフォニカは7月、スペインとドイツでファーウェイ製5G機器の段階的廃止を進める方針を示したが、ブラジルでは同機器を引き続き利用する計画である。

スペインのメディア「オリーブプレス(Olive Press)」は政府関係者の話として、今回の措置は緊急会議で決定されたものだったが、現在は「一時停止」されていると伝えた。さらに、古い機器排除を目的とした新たな入札を実施する予定であると報じている。

李言