[10日 ロイター] – ミャンマーでは国軍のクーデターへの抗議デモが最大都市ヤンゴンを中心に10日も繰り広げられた。ヤンゴンのデモ参加者は数千人に上り、首都ネピドーでは政府職員数百人が医療従事者などによる不服従運動に支持を表明するために行進した。
ミャンマー警察は前日にネピドーでデモ隊を排除するために主に空に向けて威嚇発砲しており、クーデターの発生以降でデモ隊と警察が最も激しく衝突した。医師によると、頭に警官の実弾発砲を受けた女性は重体で、生存する可能性はないとみられている。また、ゴム弾とみられる発砲で負傷した他の3人が治療を受けているという。
国軍はこれまで、主要都市で人の集まりの制限と夜間外出禁止令を敷いた。
米国務省のプライス報道官は「ミャンマー国軍に対し、権力を返還し、民主的に選ばれた政府を復活させるとともに、拘束した人たちを解放し、通信規制を解除し、暴力の行使をやめるよう改めて呼び掛ける」と述べた。
国連はミャンマーの治安部隊に人々の平和的抗議への権利を尊重するよう訴えた。国連ミャンマー常駐調整官のオラ・アルムグレン氏は「デモ隊に対する不釣り合いな武力の行使は容認できない」と強調した。
議員らによると、警察は9日遅くにヤンゴンにあるアウン・サン・スー・チー氏率いる国民民主連盟(NLD)の本部を強制捜査した。外出が禁止されている時間帯だったという。
デモと並行して不服従運動も広がっており、病院、学校、政府機関の職員らが職場を離れるなど影響が出ている。10日はネピドーにある電力エネルギー省の職員などが同運動に加わった。
当局はスー・チー氏を無線機6台を違法に輸入した容疑で訴追しており、2月15日まで身柄を拘束することが決まっている。同氏の弁護士は面会はできていないと述べた。
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