中国で2018~20年までの3年間、65歳以上の法輪功学習者のべ3827人が、当局から迫害を受けたことがわかった。うち106人が死亡し、350人が不当な実刑判決を言い渡された。法輪功学習者の情報を発信する米情報サイト「明慧ネット」がこのほど、報じた。
法輪功は中国の伝統的な健康修煉法で、1億人の学習者がいるとされていた。1999年7月、江沢民国家主席(当時)はその人数の多さに嫉妬と脅威を感じ、活動を禁止した。その後、取り締まり専門機関「610弁公室」を設立し、超法規的な弾圧は今日まで続いている。
「明慧ネット」は複数の死亡例の詳細を報じた。
遼寧省瀋陽市在住の李桂栄さん(享年78歳)は昨年1月、同省女子刑務所で迫害を受け死亡した。
生前、小学校の校長だった李さんは優秀な校長として政府に表彰されていた。2006年10月、連行され7年の懲役を言い渡された。15年2月、再び連行され、求刑5年の判決が出された。
刑務所で法輪功への信仰を放棄させるために、刑務官は他の囚人に李さんを暴行するよう指示した。殴る蹴るのほか、囚人らは革靴のまま彼女の手を踏みつけるなどの集団リンチを行った。
別の囚人は李さんの髪を引っ張りながら部屋を駆け回っていたため、たくさんの髪の毛が抜けた。食事、トイレ、睡眠の禁止、2日間しゃがんだままの体勢を保つなどの拷問が日常的に行われていた。
黒竜江省ハルビン市の法輪功学習者・孟紅さん(享年79歳)は2019年7月、黒竜江省女子刑務所で突然、死亡した。
孟さんは12年5月、法輪功の迫害に関する真相資料を配布していたとき、逮捕され、7年の懲役を言い渡された。高齢のため保釈されたが、翌年、警察官が突然、自宅に押しかけ、孟さんを収監した。
健康だった孟さんが女子刑務所で6年間の迫害を受け、突然死亡したことについて、刑務所側は理由を説明していない。
また、四川省綿陽市の王懐富さん(享年71歳)は法輪功の修煉を続けた21年間で、9回も不当に連行され、刑務所で合わせて8年半の日々を送った。2017~18年の間、刑務所で不明な薬物を投与され、息絶え絶えの状態になっていた。刑期満了した18年6月、李さんはやせ細った姿で帰宅したが、翌年7月に死去した。
(翻訳編集・李沐恩)
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