インドで中共ウイルス(新型コロナウイルス)の感染者と死者が急増している事態を受けて、中国外務省は22日、インドに医療物資を提供すると表明した。しかし、国営航空会社、四川航空は26日、インドへの一部の貨物輸送航空便の一時運休を発表した。
印紙タイムズ・オブ・インディア26日付によると、四川航空傘下の四川航空物流公司は同日、各営業所に対して通知で、西安~デリー間を含む6つの貨物輸送航空便を一時停止するとした。停止期間は15日間。中国から酸素濃縮器や他の医療物資の調達を急いでいるインド企業などは大きな影響を受けているという。物資の到着が大幅に延期されるとみられる。
また、インド貿易企業の関係者は、中国の医療物資メーカーが販売価格を35~40%値上げし、運賃も20%引き上げたと訴えているという。
中国共産党機関紙・人民日報系の環球日報は27日、英国やカナダなど各国がインドへの旅客輸送の航空便を制限したことを挙げ、中国国内航空会社の担当者の話として「四川航空物流公司の決定を理解する」との認識を示した。
しかし、欧米各国はインドに対する医療物資支援のための航空便を停止していない。
インドでは、1日の新規感染者数が連日30万人を超えるなど感染が急激に拡大した。病床や医療用酸素が不足するなど医療体制がひっ迫し、死者が増え続ける深刻な事態となっている。
海外の中国民主化団体、民主中国陣線の秦晋・理事会主席は27日、国境紛争で中印関係が悪化するなか、四川航空の決定は「実質的に中国当局の報復措置だ」と指摘した。
オーストラリアに在住する秦氏は「中国当局は意図的にインド側を困らせようとしている。中国共産党はこういうことに長けている」と非難した。
中国当局は、中共ウイルスの発生源と感染拡大の経緯に関する独立調査を求めるオーストラリア政府への報復措置として、同国産の大麦やワイン、砂糖などの輸入を禁止し、さらに追加関税を課した。
一方、インドでは、中共ウイルスの感染急拡大で医療用酸素や薬の不足が深刻化しており、ワクチンの希望者も急増している。インド政府によると、27日、英国から人工呼吸器や酸素濃縮器95台が到着した。米国、フランスやドイツなど40カ国が支援を表明した。日本政府は30日、酸素濃縮器と人工呼吸器それぞれ300台を提供すると発表した。
(翻訳編集・張哲)
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