[ワシントン 4日 ロイター] – 米国のインド太平洋調整官カート・キャンベル氏は4日、中国が攻撃した場合に米国が台湾を防衛する意思を明確にするよう求める声が国内の学界などから出ていることに関して、そのようなアプローチは「大きなマイナス面がある」との認識を示した。
英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)主催の討論会で、中国からの軍事的圧力が強まっている台湾の情勢を懸念するのは妥当だと指摘。
その上で、台湾を巡っては米中の間で、ある程度現状を維持することが両国の最善の利益になるという認識があると考えていると述べた。
台湾に対しさらに明確な安全保障を与えるべきだとの声が米国の学界などから出ていることに関する質問には、「そのように戦略を明確にすることには、いくつかの大きなマイナス面があると考える」と答えた。
米国は法律で台湾に自衛手段を提供することが義務付けられているが、中国の台湾侵攻への対応を明確にしない「戦略的曖昧さ」と呼ばれる政策を以前から取っている。
キャンベル氏は、台湾を巡り米中の対立が起きれば狭い地域にとどまらず急速に拡大し、「誰にも予測できない方法で世界経済を根本的に破壊するだろう」と語った。
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