ペロシ米下院議長、北京五輪巡り「外交的ボイコット」呼び掛け

2021/05/19 更新: 2021/05/19

[ワシントン 18日 ロイター] – 米民主党のペロシ下院議長は18日、2022年の北京冬季五輪を巡り、選手団以外の外交使節の参加を見送る「外交的ボイコット」を実施するよう呼び掛けた。

超党派の議会公聴会で「私が提案するのは、他の人からの提案と同様に外交的ボイコットだ」とし、世界の主要国は北京五輪への参加を控えるべきと主張。「現在行われているジェノサイド(民族大量虐殺)を踏まえると各国首脳が中国に向かうのは実に疑問だ」と述べた。

何らかの形で北京五輪のボイコットを求める声は高まっている。

公聴会の議長を務めたクリス・スミス議員(共和党)は、スポンサー企業は議会で証言し説明責任を果たすべきだとし「大企業は利益を追求し、ホスト国がいかに残虐な行為を行っていようと意に介していないようだ」と批判した。

ジム・マクガバン下院議員(民主党)は「パンデミック(世界的大流行)を受けて五輪開催を1年延期できるのなら、ジェノサイドを理由に1年延期することは可能だ」と指摘。「これにより、国際オリンピック委員会(IOC)は開催地を政府による残虐行為が行われていない国に移転する時間を得ることができる」とし、開催地変更を訴えた。

一方、中国大使館の報道官はロイターに対し、米国が中国の内政に干渉しようとする試みは失敗するだろうとの見解を表明。「米議員の中に『道徳的権威』と呼べるものを実際に持っていると考える向きがいるのか疑問だ。人権問題については、これまでも現在も、米議員はばかげた根拠のない発言をする立場にはない」と批判した。

Reuters
関連特集: 国際