名ばかりの「法治国家」 674人の法輪功学習者に違法判決下る 2021年上半期

2021/07/20 更新: 2021/07/20

中国共産党は「法治国家」の建設を宣伝しているが、実情からは真逆ようだ。中国本土では2021年の上半期の間に、少なくとも674人の法輪功学習者に違法な判決が下った。無実の罪で逮捕された法輪功学習者たちは拘置所で拷問を受け、個人の財産を没収されるなどの憂き目に遭っている。

このような人権侵害は国際的に知れ渡っている。米国政府は今年の5月13日、中国共産党が法輪功迫害のために設置した法外機関「610弁公室」の元官僚に制裁を課した。

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裁判に関する具体的な人数は、法輪功学習者の迫害に関する情報を集計しているウェブサイト「明慧ネット」が報じた。中国共産党は法輪功を信仰し続ける学習者を違法に拘束し、拷問を行っている。拘束に際しての罪名は「公務執行妨害」などだが、裁判所は往々にして犯罪行為を立証していない。

中国共産党は政権を奪取してから、その支配地域で信仰に対する弾圧を行ってきた。1999年7月20日に始まった、法輪功学習者に対する弾圧は、今年で22年になる。

法輪功は法輪大法とも呼ばれ、世界中で数千万人の愛好者がする気功修煉法だ。学習者は、教書を読み自己を高めることと、ゆったりとした動作と坐禅を組み合わせた煉功を行う。そして、良くない心や執着心を取り除き、「真、善、忍」に自らを合わせるように努めている。

法輪功学習者を弾圧する中共の手口

「明慧ネット」によると、2021年の上半期だけで、中国本土では674人の法輪功学習者に違法な判決が下った。それらの学習者のうち、114人は65歳以上だった。80代の学習者は16人だった。そして137人が5年以上の懲役または禁錮を言い渡された。

法輪功学習者を経済的に迫害するのも、中国共産党の手口だ。経済的な迫害には直接的なものと間接的なものの二つがある。

直接的な迫害には、違法な罰金、個人財産の収奪、物品の破壊、給料やボーナスの差し押さえ、福利厚生のはく奪、退職金や年金の支給停止などがある。

いっぽう、間接的な迫害には、勤務先からの解雇、降格、減給、勤務年数の帳消し、昇進資格のはく奪、各種免許のはく奪、銀行口座の凍結、土地の収用などが挙げられる。

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2021年前期、中国共産党当局は法輪功学習者から金銭379万9534元(約6461万9860円)を違法に収奪した。そのうち、裁判所による違法な罰金は340万7800元、警察が家宅捜索のときに没収した金銭は39万1734元だった。

中国共産党によって経済的に迫害された李登臣さんは、河北省深州市に住む82歳の元教師だ。李さんは2018年10月22日、中共の警察によって自宅を襲撃され、約15万人民元相当の個人財産を没収された。李さんは信仰を放棄しなかったため違法に連行された。高齢だった李さんが獄中で死亡するのを恐れた拘置所は、李さんを釈放した。

2018年11月23日、警察は再び李さんを拘束し、2019年の4月まで拘置所で拷問を行った。釈放された李さんは衰弱しており、地元の病院に運び込まれた。その後、李さんは法輪功を通して健康を取りもどした。しかし、李さんは2021年の元旦前後に違法に拘束され、懲役10年の刑を違法に宣告された。

米国務省が発表した「世界の信教の自由に関する2020年版報告書によると、2020年の1年間に中国国内で83人の法輪功学習者が迫害を受けて死亡した。そのほかに6000人以上が逮捕され、拷問を受けた。600人余りが当局から懲役刑を言い渡された。

裁判所まで迫害に加担

中華人民共和国では、公安局や国家安全局、検察院、裁判所といった国家の治安・司法機関が軒並み中共中央政法委員会によって指導されており、裁判所までが法輪功迫害に加担している。法輪功学習者が弁護士を雇うことを禁止されたり、法廷で自己を弁護することが禁じられたりすることもある。

2019年8月15日、中国東北地方にある吉林省四平市の公安局は、長春市警などと共に警察官数百人を出動させ、法輪功学習者に対する大規模な違法逮捕を行った。これにより、33人の法輪功学習者が拘束された。

吉林省の各裁判所と検察院は法輪功学習者の家族と弁護士に対し、中共中央政法委員会から、法輪功に関する訴訟は一切受け付けないように指示されていることを赤裸々に明かした。普通の訴訟、殺人事件でも法律の定める規定に従って裁判をすることができるが、法輪功関連の訴訟は「だめ」なのだという。中共中央政法委員会の決定に不服があれば、中国共産党指導部に直訴すればいい、と公言する裁判官もいた。

2020年9月28日、四平市梨樹県(中国の市は県よりも大きい)で裁判が始まった当日、14人の法輪功学習者は法廷において自己のために弁護する権利をはく奪された。複数名の担当弁護士は担当裁判官に適正な手続に基づいて裁判を行うよう要求したが、聞き入れられることはなかった。

裁判官は法輪功学習者に対し、「訴えたければ訴えろ。どこで訴えてもらっても構わない。すべては中共中央政法委員会が掌握しているから」と脅した。

(王文亮)

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