イタリア警察当局は2日、中国国営企業2社による同国の軍事企業に対するM&A(企業買収)が違法の疑いがあると発表した。中国人3人とイタリア人3人がこの事件に関与したとされている。
発表によると、2日、北大西洋条約機構(NATO)向けの軍用ドローンの製造を専門とするイタリア企業を突撃検査した結果、同社はすでに中国によって違法に買収されていたことが発覚したという。また、同社技術の海外移転も準備が進められている。
今回の調査を担当するイタリア金融警察によると、調査対象はイタリア人3人と中国人3人となっており、彼らはイタリアの「武器流通法」などに違反した疑いがあるとした。
また、イタリア・ポルデノーネの地方検察官によると、ある香港の会社が2018年に市場価格4万5000ユーロの90倍となる約400万ユーロで、同イタリア企業の75%の株式を取得したという。
この香港企業の背後には、中国の重要な国有企業2社があり、イタリア企業が有する無人ドローンを生産するための技術情報を得るために、複雑な財務関係を通じて同企業を買収したという。
調査官によれば、買収当事者は法律で定めているイタリア政府への報告を行っていないという。イタリアの技術を奪取するほかにも、中国・無錫の人工知能センターに生産拠点を移そうとしていた。
イタリア国防省の下請け企業である同社はドローンのほか、飛行機や宇宙飛行機も製造している。今回の買収に違法性がないと警察当局の発表を否定している。
イタリアの法律では、外国人投資家への戦略的資産の売却を禁止または制限している。
(翻訳編集・李凌)
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。