「法輪功に対する弾圧停止を」「人権弾圧をやめて」ー。大雨のなか。日本の法輪功学習者は10月1日、東京の中国大使館前で静かに訴えた。72年前のこの日、中国共産党が政権を奪取した。以降、伝統的な価値を重んじる多くの中国人にとって受難の日々が続いている。
大使館前の活動に参加した法輪功学習者の女性は、中国共産党による残忍極まる政権運営により、数千万人が死亡したと訴えた。「特に法輪功迫害はひどいものです。迫害停止を訴えるため、ここに来ました」と語った。
1949年10月1日、毛沢東は共産主義政権の樹立を宣言した。他の共産主義政権と同様、「解放」運動と冠した失策を重ね、大量虐殺や餓死の悲劇をもたらした。フランスの歴史研究家ステファヌ・クールトア氏の著書『共産主義黒書』によれば、この政権により6000万から8000万人が死亡したと試算している。
「中国共産党は10月1日を国慶節と呼んでいますが、本来は共産党が政権を奪った日と呼ぶべきです」と法輪功学習者の女性は続ける。「中国と中国共産党は同じではありません。中国の伝統文化は仁・義・礼・智・信という普遍的な価値観に基づいていますが、中国共産党は嘘・悪・闘争という邪悪な思想に基づいているのです。共産党は、普遍的な価値観や倫理に反しています」。
中国大使館前での活動は、一度に5人までと制限がかけられている。大型台風の接近により雨の降りしきるなか、法輪功学習者は交代で横断幕の後ろに立ち、時に手を胸の前で合わせるなどして、静かな訴えを続けた。
法輪功に対する弾圧が始まった1999年当初、各国の主要メディアは中国共産党の誹謗中傷のプロパガンダを引用して報道したため、法輪功に対する誤解が拡散された。中国共産党による世論操作は、9月20日に公開されたフランス国防省傘下のシンクタンクによる報告書でも、情報戦のひとつだと分析されている。
法輪功学習者は、街頭活動やリーフレットの配布といった草の根活動を続けることで、共産党のプロパガンダが間違いであると懸命に伝え続けている。
中国本土では2004年から、中国共産党やその関連組織から平和的に離脱する「脱党活動」が始まり、今日までに約3億8千万人が共産党組織からの離脱を発表した。国連人権特別報告官や欧米議会の非難決議により、生きた法輪功学習者から臓器を強制摘出する「臓器狩り」は、世界の知るところとなった。
日本も中国共産党の人権侵害行為に対して行動を起こしている。9月下旬、福岡県の八女市議会と小郡市議会で、中国の人権侵害に対し働きかけるよう政府に求める意見書が全会一致で採択された。同様の意見書は9月だけでも全国10か所の地方議会で可決された。
国際社会での認知度が高まり、各国政府も注目するなか、中国共産党は依然として法輪功学習者に対する迫害を停止していない。中国大使館前で20年近く活動を続けてきた女性は取材に対し、「雨とか、風とか、きついとは思わない」と力強く答えた。
「中国共産党が解体されるまで(活動を)続けます。今の中国では臓器狩りや法輪功に対する迫害もまだまだ続いています。それが終わらない限り、私たちは訴え続けます」。
(王文亮)
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