カンボジアの海軍基地に新たな建設活動 中国軍関与の疑い 米大使館が非難

2021/10/16 更新: 2021/10/16

中国による軍事利用の可能性が懸念されているカンボジアのリアム海軍基地で新たな建物の建設が確認されたことを受け、米国大使館はカンボジア政府の対応を非難する声明を発表した。ロイター通信が13日報じた。
 
米シンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」は2日、リアム海軍基地で8〜9月に3つの新しい建物と新しい道路の建設が始まったことを示す衛星画像を公開した。

ロイターによると、米大使館の報道官は声明で、カンボジア内に外国の軍事基地を設けることは同国の憲法違反に当たるとし、地域の安全保障をも損なうことになると非難した。

同基地はベトナムなど諸国が中国と領有権を争う南シナ海の入り口に位置する。米中両国は軍事的な要地とみている。

同基地では、米国の支援で司令部棟と、小型船のメンテナンス施設が建設されていたが、昨年11月初旬までに解体された。カンボジア政府は基地改修計画の一環だと説明しているが、中国の関与が疑われている。

新たに確認された建築物は、米支援の施設の近くに位置している。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは2019年、米政府関係者の話として、カンボジア政府が中国による基地の独占的利用を許可することに合意したと報じた。その見返りに中国がインフラを整備するという。

カンボジア政府は米紙の報道を否定したが、同国のティア・バン国防相は6月、中国がリアム海軍基地の再開発に「貢献している」ことを認めた。

(翻訳編集・李凌)

関連特集: 南シナ海問題