最新調査によると、コロナ禍による経済的問題で米国の約2割の世帯がすべての貯蓄を失ったことが明らかになった。所得による格差も顕著に現れており、低所得層がより大きな困難に直面しているという。
調査は米国のナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)とロバート・ウッド・ジョンソン財団、ハーバード大学公衆衛生大学院が共同で行い、8月2日から9月7日にかけて全米の18歳以上の3,616人から回答が得られた。
結果によって、米国の家計が直面する厳しい現実が浮き彫りとなった。19%の世帯がコロナ禍を通してすべての貯蓄を失ったと回答し、38%は何かしらの経済的困難に直面したと回答した。
過去数か月間に直面した深刻な経済的困難の内容として、「クレジットカードやローン、負債の支払い」が22%で最多となった。続く「医療費の負担」が17%、「公共料金の支払い」が16%だった。「賃料等の支払い」と「食べ物の獲得」が同列で14%だった。
収入による格差も明らかになった。世帯収入が年間5万ドル未満の世帯では、貯蓄を全て失ったと回答した割合が30%に上った。いっぽう、5万ドル以上の世帯は9%にとどまった。
また、世帯年収5万ドル以下の世帯で少なくとも一つの経済的困難に直面したと回答した割合は59%だったのに対し、5万ドル以上の世帯では18%だった。
仕事環境についての設問では「悪化した」が24%だった。21%は「改善した」と回答、残る55%は「特に変化がなかった」という。
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