豪州のモリソン首相は8日、中国の新疆ウイグル自治区での人権侵害などを理由に来年2月に開催される北京冬季五輪に政府関係者を派遣しないと明らかにした。米国の「外交的ボイコット」に豪州も追随した格好だ。
モリソン首相は、豪の外国干渉防止法や米英豪の安全保障の枠組み「AUKUS」に基づく原子力潜水艦の建造計画などに関して、中国と衝突するなかで下した決定だと説明した。「豪は国益を守る立場から一歩も引かない」と対中強硬姿勢を示した。
さらに、豪は新疆ウイグル自治区における人権侵害などに関し、中国共産党政権と何度も対話を試みてきたが受け入れられなかったとし、「豪政府関係者が参加しないのは当然だ」と述べた。
いっぽう、「スポーツと政治的な問題は分けて考える」と述べ、豪代表選手団は大会に派遣する方針だと明らかにした。
昨年、豪が中共ウイルス(新型コロナウイルス)の起源を追跡する国際調査を求めたことから中国との関係が急速に悪化。中国は豪に対して石炭の輸入制限やワインの制裁関税などで経済的圧力を強めた。
さらに、中国は現地の大使館を通じて14の抗議項目を発表。抗議項目には、中国の通信機器大手「華為技術(ファーウェイ)」の第5世代移動通信システム(5G)からの排除や豪が反中国的な姿勢をとっている、といった批判が含まれていた。
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