アラブ首長国連邦、中国軍事施設の建設を中止 米の要請で

2021/12/12 更新: 2021/12/12

アラブ首長国連邦(UAE)のアンワル・ガルガーシュ(Anwar Gargash)外務担当国務相は9日、ワシントンのシンクタンクのフォーラムで、中国が同国内で秘密裏に進めている軍事施設建設の中止を命じた、と明かした。

同氏は「UAEはこれらの施設が軍事や安全保障上の目的で使用されるとは考えていない」とし、「米側の要請で、建設を中止した」と説明した。

同施設の使用目的に関する詳しい説明はしなかった。

ガルガーシュ氏は、「同盟国の懸念を考慮しないのは愚かなことだ」と中止が米政府への配慮であると述べた。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは先月、中国国有企業の中国遠洋海運集団(COSCOCS)がUAEのハリファ港で軍事施設とみられる建築物を建設していると報じた。

米政府は、「中国の軍事的存在は両国の関係を脅かす恐れがある」として、UAEに再三警告をしていた。

UAEは、テロ問題などで米国とパートナー関係にあり、イスラエルとの国交を正常化するためのアブラハム協定の参加国でもある。しかし、中国との安全保障上の協力関係が始まったことで、米国の第5世代戦闘機F-35など総額230億ドルにのぼる、先進的な軍需品の売却計画が困難に直面している。

ガルガーシュ氏は、「UAEは米中の中東地域での対立に巻き込まれることを非常に懸念している」と表明した。

中国は現在、UAEの主要な貿易相手国の一つである。

米国家安全保障会議(NSC)の中東政策調整官であるブレット・マクガーク(Brett McGurk)氏は9日のフォーラムで、「我々のパートナーへの支援の妨げになるような行動について、すでに立場を明確にしてきた」と述べた。それは米国の地域同盟国への武器販売と技術移転を指していると付け加えた。

マクガーク氏は、「中国側は時に『港の建設を手伝いたい』と言ってくるが、彼らは実際には全く違うことをしている」と語った。「中東を含めた世界は、そのことに少しずつ気づいていると思う」と述べた。

(翻訳編集・李凌)
 

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