中米ニカラグアのオルテガ政権は27日、10日に国交を断絶した台湾の旧大使館施設を強制的に接収した。施設は国交を回復した中国当局に引き渡される予定。台湾の外務省は強く抗議している。
ニカラグアの現地メディアによると、オルテガ大統領は中国当局が主張する「一つの中国」原則に基づいて、台湾の旧大使館を接収し、今後中国側に引き渡すと説明した。
台湾外務省の欧江安報道官は27日、外交関係に関するウィーン条約などの国際関係法の下では、台湾とニカラグアが断交した後も、ニカラグア政府は台湾の旧大使館などの資産を守る義務があると指摘した。
欧報道官によると、台湾政府はニカラグアにある旧大使館を同国のカトリック教会に実質上寄付する予定だった。台湾の外交官らがニカラグアから引き上げる直前、教会側との間で、22日にすでに一部の法的手続きを済ませた。
報道官は、「ニカラグア政府が旧大使館を違法に占有し、中国共産党政権に引き渡すことは受け入れられない」と強く反発した。また、ニカラグア政府が台湾の駐在外交官らに23日までに出国するよう要求したのは「国際慣例に反した」と批判した。
また外務省は、「中国共産党政権は台湾の外務政策に干渉する権利はなく、中華民国の資産を受け継ぐ権利もない」と強調した。
台湾の王定宇立法委員(国会議員)は27日にフェイスブック上で、台湾政府がカトリック教会に寄付した旧大使館を強制的に取り上げたオルテガ政権は「匪賊だ」と非難した。
11月に行われたニカラグアの大統領選挙を巡って不正があったとして、米国や欧州連合(EU)などは相次いで批判し、反米左派のオルテガ氏の当選を認めなかった。
(翻訳編集・張哲)
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