米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は9日、中国当局は近年、先端技術を持つ台湾や欧米の半導体メーカー大手に追い付くために、莫大な資金を投じてきたにもかかわらず、失敗に終わっているとの見方を示した。
報道によると、中国当局が過去3年間に主導した半導体受託製造(ファウンドリー)プロジェクトのうち、少なくとも6件は失敗した。
武漢弘芯半導体製造有限公司(HSMC)と泉芯集成電路製造(済南)有限公司(QXIC)を例として取り上げた。両社は「まず14ナノメートル製造工程を実現し、その後、7ナノメートルの製造技術を実現する」との目標を掲げていた。しかし、実際には「資金を使い果たし、半導体生産を商業化することが一度もできなかった」とWSJは指摘した。
HSMC社は昨年6月に倒産し、QXIC社もすでに経営破たんした。
国立台湾大学の林宗男教授は、「半導体生産には様々な条件が必要だ。設計、製造などの体制を整えなければ、競争力を持つことはできない。中国本土には自由な(開発研究)環境がないので、半導体業界の競争力を高めていく人材が育たない」と米中国語放送「新唐人テレビ」に語った。
米国のトランプ前政権は、ハイテク分野における中国当局の覇権に対抗し、軍事利用もできる半導体技術を巡って、中国企業への輸出制限を設けた。米企業から調達できなくなった中国当局は近年、半導体の自給自足を目指し、国産化に本腰を入れ、政策と資金面で国内企業を全面的に後押ししてきた。
中国当局は2014年9月、1387億元(約2兆5024億円)規模の国家集成電路産業投資基金を設立。19年10月、2042億元(約3兆6841億円)規模の新たな国家半導体基金を創設した。
(翻訳編集・張哲)
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