中国の銀行は、2007~20年の間に、サハラ以南のアフリカで500以上のインフラプロジェクトに対して、日米欧などの融資合計を上回る貸付を行っている。米シンクタンクの世界開発センター(Center for Global Development)が10日、発表した論文で明らかになった。
それによると、開発プロジェクトに取り組む中国の銀行は20年までの13年間、同地域の官民パートナーシップに230億ドル(約2兆6688億円)を提供したという。
中国の貸付金額は、米国、日本、ドイツ、オランダ、フランスおよび南アフリカの銀行が提供した総額91億ドルの資金の2倍以上にのぼる。
論文の主要執筆者で同センターの上級政策研究員であるナンシー・リー氏は、この地域のプロジェクトに対する財政支援は全体で約90億ドルにとどまっており、道路、ダム、橋の建設に必要な費用との間に大きな差があると指摘した。
世界銀行などの国際開発金融機関は15年、「数十億から数兆へ」というビジョンを掲げていた。しかし、サブサハラアフリカのインフラプロジェクトに融資した額は2016~20年の間、年間14億ドルに過ぎないことも報告書で明らかになった。
近年、中国の融資の透明性の欠如や担保の取り方に関する懸念の声が上がっている。
国際通貨基金(IMF)や世界銀行のエコノミストは、「多くの低所得国が債務危機に直面しているか、すでに困窮している」と警告している。
リー氏は、欧米諸国は投資を増やすのに時間がかかっていると述べ、今まで以上のスピードで同地域への資金提供を促した。
(翻訳編集・李凌)
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