2月10日に行われた北京冬季オリンピックの男子アイスホッケー初戦で、米国は中国を8-0で破った。中国チームのメンバーの三分の二が外国出身で、二重国籍の疑惑が再び浮上した。
「言われなければ、これが中国チームだとわからなかった」
中国のSNSに投稿されたチームの写真が話題になっている。中国代表チーム22人のうち17人はアメリカ及びカナダ出身、そのうち4人は中国系ではない。
英紙ガーディアン10日付によると、中国チームには、米出身の32歳のGKジェレミー・スミス選手らがいる。スミス選手は、北京オリンピック出場権を獲得できるチームに参加しないかと誘いの電話を受けたとき、「冗談かと思った」と振り返った。
バンクーバー生まれのブランドン・イップ選手(36)は、中国チームでライト・ウイングを務めている。現役中、最後に出場したのは2014年の北米プロアイスホッケーリーグ(NHL)の試合だった。「カナダ代表チームに入る可能性がゼロであるのは確かだ」とイップ選手は冗句を飛ばした。
開催国であるため、中国は自動的に五輪の出場権を獲得したが、昨年9月の時点で世界ランキングは32位と沈んでおり、2019年から試合を行っていない。国際アイスホッケー連盟(IIHF)は「競技基準の欠如」を理由に中国チームを大会から除外することを検討していた。
大会への出場資格を確保するため、急遽集められた外国人選手らは、新設したクラブチーム「崑崙鴻星」と契約を結んだ。16年、ロシアのコンチネンタル・ホッケー・リーグに参入した。中国にプロリーグはなく、国際舞台で恥をかくのを避けるため、この計画が練られたという。
新しいチームは過去3年間、170試合中40勝未満と不振が続いている。
新型コロナウイルス(中共ウイルス)感染症により、北米プロアイスホッケーリーグは参加を見送った。中国はチャンス到来と思ったが、初戦で15人の大学生を含む米国チームを相手に0対8で完敗した。
独メディア、ドイチェ・ヴェレによると、五輪が開会する前に、チームは取材を受けないように指示を受けたという。試合終了後、選手らは取材エリアをそのまま通過し、義務付けられている取材に応じなった。
中国の法律は二重国籍を禁止している。スミス選手は、米国籍を放棄したかどうかについて、「アメリカにいるときに、私はアメリカ人。中国にいるとき、私は中国人だ」と女子フリースタイルスキーの金メダリスト、アイリーン・グー選手の発言を踏襲し、明言を避けた。
グー選手も米国生まれで中国代表として出場し、二重国籍の疑いがあるとして非難を浴びている。
外国出身選手が多く出場していることは、中国で物議を醸している。当局も選手も、元の国籍を放棄したかどうかを公にしていない。
大会出場にあたり、スミス選手の名前は中国語「傑瑞米・史密斯」に改められ、ローマ字表記も中国語の発音「Jieruimi Shimisi」で登録されている。
(翻訳編集・叶子静)
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