[ワシントン/キエフ 13日 ロイター] – サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は13日のCNNで、ロシアによるウクライナ侵攻は「いつ起きてもおかしくない」と述べて警戒をあらわにし、ロシアが開戦の口実をでっち上げる可能性にも言及した。また、北大西洋条約機構(NATO)を「隅から隅まで」防衛すると強調した。
ロシアはウクライナとの国境沿いに10万人以上の軍部隊を集結させており、米政府は外交努力を続けつつも、ロシアの侵攻が差し迫っていると繰り返し警告している。
ロシアは侵攻するつもりはないとし、米国の「ヒステリー」だ一蹴している。
サリバン氏は「侵攻する日を正確に予想することはできないが、しばらく前からいつ起きてもおかしくないと指摘してきた」と語った。
米政府当局者らは、ロシアが16日にウクライナを侵攻する計画だと米情報機関が分析しているとの報道について、確認はできないと述べた。
サリバン氏は、ロシアが開戦の口実を作るために「偽旗作戦」(敵になりすまして行われる作戦)を展開しないよう、米政府は入手した情報を引き続き他国と共有する考えだと説明した。
同氏はCBSとのインタビューで、米国は「NATOの領土を隅々まで防衛するつもりだ。ロシアはこのメッセージを完全に理解していると思う」との見解を示した。
一方、バイデン米大統領は13日にウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談を開いた。ホワイトハウスによると、ロシア軍部隊の増強に外交と抑止で対応を続ける重要性について見解が一致した。
バイデン氏は12日にロシアのプーチン大統領とも電話会談を開き、ウクライナに侵攻すれば西側は断固として対応し、モスクワは孤立すると警告した。
ドイツのショルツ首相は14日にウクライナ首都キエフを訪問し、15日にはモスクワでプーチン大統領と会談する。出発を前にショルツ氏は、ロシアに緊張緩和を呼び掛け、ウクライナを侵攻した場合の制裁発動について警告した。
ウクライナのレズニコフ国防相はツイッターへの投稿で、米国を含む同盟諸国からこれまで約1500トンに上る砲弾を受け取ったと明らかにした。
サリバン氏は改めて、ウクライナの米国人に退避を呼びかけた。米国務省によると、在ウクライナ大使館の残るスタッフは西部リビウで勤務を続ける。
仏蘭航空大手・エールフランスKLMA傘下KLMは、ウクライナ便の運航停止を発表。ドイツのルフトハンザ航空も運航停止を検討していると明らかにした。
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