[台北 12日 ロイター] – 台湾総統府は12日、ウクライナ情勢を踏まえ、中台を隔てる台湾海峡の状況を注視すると同時に戦闘態勢を徐々に強めていると表明した。ただ、中台の緊張とウクライナ情勢は異なる問題のため、2つを関連付ける偽情報に惑わされないよう市民に呼び掛けた。
「全ての軍部隊は引き続き、ウクライナ情勢と台湾海峡の動向に細心の注意を払い、合同情報収集・監視を強化し、さまざまな兆候や脅威に鑑み、各状況に効果的な対応ができるよう、徐々に戦闘態勢を強めている」と説明した。
台湾は先月、中国の軍用機39機が防空識別圏(ADIZ)に進入し、台湾軍機が緊急発進したと発表。ADIZへの大量進入があった昨年10月以降で最多となった。
中国の軍用機による飛行はほぼ毎日行われているが、12日に台湾側が報告した中国機の数は5機で、規模は大幅に縮小している。
総統府はまた、台湾海峡の状況はウクライナ情勢と「根本的に異なる」とし、市民に偽情報に惑わされないよう警告した。台湾市民の士気をくじく目的で、ウクライナ情勢に関連した偽情報が拡散していると説明したが、詳細には触れなかった。
台湾の呉釗燮外交部長(外相)は11日、インドのニュース専門局に対し、西側諸国がウクライナに気を取られている状況に付け込み、中国が台湾を攻撃する可能性を強く警戒していると述べた。ただ、北京冬季五輪が開催中のため、人々の関心を五輪からそらすような「大規模イベント」は望まないかもしれないと付け加えた。五輪後の状況について予想するのは難しいとも述べた。
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