リック・スコット米上院議員は10日、出席した首都ワシントンで開催されたフォーラムで、20世紀に1億人の命を奪った共産主義を人類に巣食う「ガン」に例えた。この思想によりキューバやソビエト連邦、ベネズエラが被った災難に触れ「米国では社会主義に憧れを持っている人たちがいる」と危機感をあらわにした。
スコット氏はトランプ前政権の高官たちが率いるアメリカ・ファースト政策研究所主催のフォーラムで講演した。内容の多くは共産主義を掲げる中国の脅威に関するものだ。
4日に開幕した北京冬季五輪の開会式では、民族の「一体感」を演出するため聖火の点火者に新疆ウイグル自治区出身のウイグル人女子選手を起用した。「共産主義の中国が得意とするプロパガンダであり、中国共産党は犯罪を塗り替えようとしている」とスコット氏は指摘する。
さらに、中共ウイルス(新型コロナ)の情報の隠蔽、新疆ウイグル自治区やチベット、香港での自由の抑圧、台湾への嫌がらせ、法輪功学習者からの強制臓器摘出、不公平な貿易慣行、紛争海域での軍事化など、中国共産党が国内外で行っている行動を列挙。
これらのことから、中国共産党は世界の舞台で競争したいのではなく「議論の条件を整え、米国と同盟国を孤立化」させることが狙いだと指摘した。
「彼らがやっていることを見れば、2つの結論に達せざるを得ない。中国共産党は米国の敵になることを選択した…そして我々は新たな冷戦に突入したのだ」
オリンピック会場近くの収容所
ニューヨークに拠点を置く人権団体、法輪大法情報センターが最近発表した収容所マップによると、オリンピックが開催される北京とその近郊の都市には、良心の囚人を収容している収容所が多数存在する。
その中には、法輪功を信仰しているという理由だけで、2001年と北京夏季オリンピックが開催された2008年にも労働収容所に収容されたことのある65歳の季云芝さんも含まれる。
法輪功情報サイト「明慧ネット」によると季さんは以前拘束された際、殴打、感電のほか骨まで針を刺されるなどの数々の拷問を受けてきたという。いずれも、瀕死の状態で仮釈放となっている。
スコット氏は7日の声明で「季氏らの最近の逮捕は、宗教的少数派や政治的反体制派を黙らせ、投獄しようとする中国共産党の姿勢を改めて浮き彫りにした」と指摘。「自由を愛するすべての国から軽蔑されてしかるべきだ」と非難した。
北京五輪のスキー・スノーボード競技場がある張家口市に隣接する内モンゴル自治区の巴林左旗拘留所で、李さんは現在、ハンガーストライキを行っている。
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