米アマゾン、BLMをチャリティ・プラットフォームから排除 財務管理の透明性欠く

2022/02/18 更新: 2022/02/18

米インターネット通販大手アマゾンは、同社のチャリティ・プラットフォーム「アマゾン・スマイル」から反差別運動ブラック・ライブズ・マター(BLM)の慈善団体を排除したと発表した。BLMは、2020年に受け取った6000万ドルの寄付金に関する財務報告を開示していないとして、カリフォルニア州司法省から督促状を受け取っている。

アマゾンの広報担当者は15日、米ニュースサイト「ワシントン・エグザミナー」に対し、BLMが同社の契約条件を満たしていないとして「アマゾン・スマイル」から削除したと述べた。いっぽう契約条件を満たせば「プラットフォームへの再申請が可能」としている。

ジョージ・フロイド氏の死亡事件で全国的な抗議活動が広がった2020年、アマゾンもBLMを含む慈善団体に1000万ドルを寄付している。

2013年にスタートした黒人権利運動BLMは、白人至上主義や黒人差別根絶を掲げた。しかし、運動の共同創始者パトリッセ・カラーズ氏が高級住宅街に数百万ドルの豪邸を購入するなど、財務管理の透明性を疑問視する声が上がっていた。

10日に行われたジョージア州モアハウス大学でインタビューを受けたカラーズ氏は、受け取った6000万ドルの寄付金について「白人や白人企業が(黒人差別の)罪悪感から自ら注ぎ込んだお金だ」と主張。「私たちが寄付金を募ったわけではない」と強調した。

カリフォルニア州司法省は先月末、寄付金の財務報告を提出していないとして、カラーズ氏ら3人の黒人女性が立ち上げたBLM団体「BLACK LIVES MATTER GLOBAL NETWORK FOUNDATION, INC.」に募金活動などの禁止を通知した。2020年度の税金や寄付金に関する書類提出には60日間の猶予を与えるが、しない場合は団体登録の停止や抹消もあるという。

BLMは昨年7月に共産党政権下で人権侵害などに苦しむキューバ市民が行った抗議デモは「残酷で非人道的」な経済制裁にあると非難。さらに連邦捜査局(FBI)の最重要指名手配テロリストの亡命を認めたキューバ共産主義政権の「連帯」を称賛するなど、過激な思想の体質をあらわにした。

米国をはじめ国際関係担当。
関連特集: 米国